今回は改めて「決算書の読み方」について語ります。
以前書いたものと言いたいことは同じですが、画像中心に整理し直しました。
まず押さえたいのは、そもそも企業活動がどのように行われるかという点です。ざっくり三つの活動から構成されています。
一つ目は、事業に必要な資金を調達する「①資金調達活動」。
二つ目は、調達した資本を設備投資などにあてる「②投資活動」。
そして三つ目が、日々のオペレーションを回して実際に利益を稼ぎ出す「③営業活動」です。
例えば「高菜おにぎり屋チェーン」で起業するなら、一般に銀行などから資金を借りてくる必要があります(①調達)。
次に、調達した資金から調理器具など店舗に必要な設備・備品を購入・賃貸し、お店を開くための準備をします(②投資)。
そして実際におにぎり屋さんを開き、高菜おにぎりを作って売る(③営業活動)という流れです。
重要なのは、三つのステップが決算書(財務三表)の一部分に対応していること。
財政状態を報告する「バランスシート(貸借対照表)」には、どのように資本を調達したか(①資金調達活動)が書かれています。
また、調達した資本を何に投資しているか(現金のままor設備や材料などに変えられている)という「②投資活動」についても読み取ることができます。
損益を報告する「損益計算書」にはもちろん「③営業活動」の成果が書かれています。
そしてキャッシュフロー計算書には調達、投資、営業それぞれ三つの活動による現金の流れを読み取ることができます。
それでは、より具体的な内容について確認していきましょう。まずはバランスシート(貸借対照表)について。
前述した通り、バランスシートには「その企業がどうやって資金を調達してきたか」が現れます。
そもそも、企業が資金を調達するための主な方法は3種類あります。
一つ目は、銀行や信用金庫などからの「借入」です。要するに借金。
二つ目は、株式会社として発行した株式を購入してもらう「払込資本」。バランスシート上では「資本金」「資本剰余金」と書かれます。
また三つ目として、その会社が稼いだ利益を再投資するというのも立派な資金調達の方法です。
決算書には「利益剰余金」と書かれますが、一般に「内部留保」と言われることもあります。
資本の調達源泉が表されるのはバランスシートの右側(負債と純資産)で、その構成を図式化すると次のスライドのようになります。
ミクシィ、メルカリ、ソフトバンクグループ三社の例をあげていますが、会社によって資本の調達源は大きく違うことが分かります。
ミクシィは資本の大部分を「利益剰余金」によっていますし、ベンチャーとして投資家から資金を集めてきたメルカリは「払込資本」がかなりの部分を占めています。
また、ソフトバンクグループは「有利子負債(借金)」が18兆円と非常に大きな金額です。
このように「お金をどうやって調達してきたか」というのは、会社の経営姿勢が現れる大きなポイントの一つです。
一方でバランスシートの左側(資産の部)には、「調達した資本をどのような状態においているか」が表されます。
次のスライドではミクシィ、Apple、マクドナルドの3社を例に挙げています。