新興国のオンラインマーケットプレイスなど7社!スカイプマフィア(後編)

新興国のオンラインマーケットプレイスなど7社!スカイプマフィア(後編)

スカイプマフィア(前編)ではスカイプ出身者によるスタートアップ8社について見ていきました。

後編では、もう7社ほど見ていこうと思います。

SkypeMafia

インスリン注射のスマートキャップを販売する「Timesulin」


Timesulin

1社目は、糖尿病患者のインスリン注射の時間やインスリン量の管理を補助する「Timesulin」です。 

Skype創業者の一人であるAndreas Sjolund氏とその兄弟のJohnSjolund氏によって2010年に設立されました。  

JohnSjolund氏は1歳の頃から糖尿病を患っており、インスリン注射をいつどれだけ行なっているかすぐ忘れてしまったそうです。

TimeslulinのHPによると、93%の糖尿病患者がインスリンを投入したかどうか覚えていないという問題を抱えているとのこと。 

これにより、血糖値が上がり過ぎていないか不安になったり、仕事に支障をきたすなどの弊害があるそうです。

そこで、糖尿病患者のインスリン投入のタイミング・量を自動で管理してくれるのがTimesulinです。  

使い方は、Timesulinについているタブを抜いて、自分のインスリンペンにはめ込むだけです。  

あとはTImesulinが自動で摂取するべきタイミングと量をカウントしてくれます。

価格は11.99ポンド(1,700円)で、2個買うと配送料金が無料になります。

世界糖尿病デー

IDF DIABEATS ATLASによる世界の糖尿病人口を見ると、2017年時点の糖尿病の人口は4.25億人ですが、2045年には患者数が48%増えて6.29億人になると言われています。

地域別で見ていくと、アジアは15%増加で、アフリカは156%増加すると言われています。

次に大きいのが中東・北アメリカで患者数が72%増加すると言われており、これらの地域でTimesulinの需要は高まっていくことが予想されます。


オンライン上で家主と賃貸人のプロフィールを参照できる英国初のサービス「rentprofile」

rentprofile

2社目は、オンライン上で賃貸人と家主のプロフィールを参照できるサイトを運営する「rentprofile」です。 

rentprofileは、Skypeロンドン支社でプロダクトマネージャーを行なっていたPaul Munday氏によって、2016年に設立されました。  

ある時、Paul Munday氏の弟であり共同創業者のDavid Munday氏が、家主を装う詐欺師にだまされたそうです。

その後、Munday兄弟でその地域でどれだけ家主を装う詐欺が起きているか調査したところ、被害総額は1週間あたり100万ポンド(約140万円)、つまり1日あたり70人の賃借人が2,000ポンド(約28万円)の被害を受けていることになります。  

この事実を知り、2016年に兄弟で作ったサービスが「rentprofile」です。

Example Landlord Profile

rentprofileを使えば、家主と賃貸人のプロフィールを確認することができ、電話番号や住所に偽りがないかチェックすることができます。  

また、家主や賃貸人に対してレビューをつけることも可能で、例えば家主に対して「ある日水道が壊れた時に、〇〇さんに連絡したら即対応してくれた」などのコメントが可能です。  

この機能があることで、プロフィールに偽りがあるかどうかだけでなく、家主・賃貸人のパーソナリティを示すことができます。


世界266地域の住みやすさをスコアリングする「Teleport」

Teleport

3社目は世界中の地域の生活費や教育の質、安全性などをスコアリングするサービスを提供する「Teleport」です。

Teleportは、Skypeの初期の頃から働いていたSten Tamkivi氏とSilver Keskkula氏によって2005年に創業され、累計調達額は250万ドルに達しました。

Tokyo

HP内の検索タブに自分が気になる地域名を入力すると、生活の室に関する様々な項目でスコアリングが表示されます。

「Tokyo」で検索したところ「Safety(安全性)」の項目は264都市中1位で、スコアは10でした。

その他にも、都市の人口や平均年収、平均生活コストなどさまざまなデータが記載されています。


GoogleやSalesforceと連携してメールのトラッキングをおこなう「MixMax」

MixMax

4社目は自分の送ったメールがいつ何回開かれたかなどのトラッキングをおこなう「WixMax」です。

WixMaxはSkypeでプロダクトマネージャーとして働いていたOlofMathé氏が2014年に設立、累計調達額は1,340万ドルとなっています。

電子メール追跡のユーザーは、営業員や人材募集を行う人事を想定しています。

営業員であれば自分のメールを読んでいるかわかることで、より効果的なフォローアップが可能ですし、人事であればターゲットに対して最適なメールの頻度がわかります。

グレードによって料金体系は異なり、1ヶ月に従業員1人あたり9~49ドルとなっています。

SalesforceやDropBoxと連動させることも可能で、Salesforceと連動させる場合にはメールの開封回数などをダッシュボードに記載させることが可能など、さまざまな機能が直接同期します。

ユーザー数は1万ほどいます。


新興国でオンラインマーケットプレイスを提供する「Saltside」

Saltside

5社目は、バングラディシュ、ガーナ、スリランカの3ヶ国でオンラインマーケットプレイスを提供している「Saltside」です。

Saltsideは、Skypeの初期メンバーの一人であるNils Hammar氏が2011年に創業し、累積調達額は6,500万ドルに達しました。

Bikroy.com

バングラディシュでは『Birkoy.com』というオンラインマーケットプレイスを展開しており、モバイル端末やファッション用品、エレクトロニクス用品などを売りたい人と買いたい人をマッチングさせています。

「Bikroy」はバングラディシュの現地語で「売る」を意味しており、バングラディシュで最大の市場となっています。

ちなみに、バングラディシュは、1.6億人の人口(日本は約1.2億人)を抱える世界で8番目に人口の多い国です。

国土面積は14.7万平方kmで、これは日本の約1/3(日本は37.8万平方km)ほどしかなく、世界人口密度ランキング第10位となっています。


家族間のフォトストレージサービスを提供する「Lifecake」

Lifecake

6社目は、家族の子供の写真やビデオをクラウド上で管理するサービスを提供する「Lifecake」です。

LifecakeはSkype出身者2人により2012年に設立され、累計調達額は140万ドルに達しました。

料金体系は、1GBのストレージ容量が無料で、そこから先は月額10.99ドル、もしくは年会費64.99ドルとなっています。

Lifecake

また、ストレージされた写真はフォトブックにすることが可能で、24ページ37.99ユーロ(4,883円)からです。

外国への発送費用も無料な点が特徴で、30日以内であれば返却可能なのも良心的です。


スモールビジネスの資金調達に関するメタサーチを手がける「Fundera」

Fundera

7社目は、小規模事業者向けのローンについて、貸し手の条件等を比較できるサイトを運営している「Fundera」です。

Funderaは、Skype出身者2人により2014年に設立され、累計資金調達額は1,890万ドルに達しました。

2016年にはビジネスインサイダーにより「100 of the most exciting startups in New York City 」に取り上げられ、フォーブズには「The Forbes Fintech 50 For 2016 」として掲載されています。

Funderaは、ローンや法人カードの比較サイトを運営しています。

一口にローンと言っても様々なものがあり、「スタートアップビジネスローン」であれば、設立から6ヶ月以内の企業しか利用できないものの、最初の9〜15ヶ月無利息であることなど、各ローンや法人カードの長所短所をまとめてくれています。

2014年の設立以来、1万以上のスモールビジネスに利用され、合計8.5億ドルを融資しています。