カナダ最大級のカジノ企業!オンタリオ開拓で45%増収の「Gateway Casinos」が新規上場

カナダ最大級のカジノ企業!オンタリオ開拓で45%増収の「Gateway Casinos」が新規上場

IPO

ニューヨーク証券取引所へ上場予定を予定しているカナダのカジノ企業「Gateway Casinos & Entertainment Limited」を取り上げます。

公式HP

1992年に設立され、現在26施設を運営。2017年の売上は約411億円

Gateway Casinosは1992年にカナダ・バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)で設立されました。

同年にマンダリン・オリエンタルとRoyal Towers Hotel内のカジノ運営会社を、その2年後にもメイプルリッジ地区内にあるカジノ企業を買収します。

1999年にアルベルタ州・エドモントンに、2016年にはオンタリオ州へ進出し、事業エリアを着々と拡大。

現在はカナダ全土で26施設、合計1万3,000以上のスロットや400卓以上のテーブルゲーム等を運営しており、カナダ最大級のカジノ運営企業となっています。

2017年の売上は4.8億カナダドル(411億円)、2018年は9か月時点ですでに前年の業績を上回っています。


北米のカジノ産業といえばパッと思い浮かぶのはラスベガスですが、カナダ最大級のカジノ企業は一体どのようなサービスを展開しているのでしょうか。


5つのカジノブランドによるゲーム関連収益が80%超(3.8億カナダドル)、飲食関連も売上の10%弱(6.6億カナダドル)

Gateway Casinosは5つのカジノブランド、3つの飲食ブランドを展開しています。


カジノブランド

カジノはターゲットに応じて5つのブランドを築き上げてきました。

Grand Villa」と「Starlight」は都市部を中心に展開しており、ハイエンドな層がターゲット。

Cascades」「Playtime」はよりカジュアルなブランドです。

コミュニティを重視しており、ビンゴなど老若男女問わず全員で楽しむ系のゲームも豊富に取り揃えています。

最近ではリゾート地に特化した「RAMA」もスタート。

2,500台以上のスロットマシーンを設置した9万平方フィートを誇るゲームフロアは圧巻です。


飲食ブランド

各カジノ施設はホテルを併設しているケースが多く、他社のテナント誘致以外に自社でも飲食ブランドを展開しています。

大人な雰囲気のバー「MATCH Eatery & Public House」、ステーキハウス「Atlas」、気軽にたくさんの料理を楽しめる「The Buffet」が主力。

2018年から新たに音楽ライブも楽しめる「Halley’s Club」もオープンしました。


セグメント別の売上高を確認してみると、ゲーム関連収益が売上全体の80%を担っています。

2017年のゲーム収益は3.8億カナダドル(326億円)、2018年は9か月間で4.0億カナダドル(343億円)に達しています。

売上の10%を占める飲食関連は6,598万カナダドル(57億円)、ホテルは1,350万カナダドル(12億円)で3%弱。

その他収益のうちATMの手数料収入が1,067万カナダドル(9億円)あります。


2016年に進出したオンタリオでの売上が全体の46%に

Gateway Casinosの主な展開エリアは「ブリティッシュコロンビア」「アルベルタ」「オンタリオ」の3州です。

施設数が最も多いのはブリティッシュコロンビア州で13施設で、1999年に進出したアルベルタ州・エドモントンは2施設ほど。

オンタリオ州は2016年に進出したばかりですが、11施設を運営しています。

地域別の売上構成比は直近2年間で大幅に変化しており、オンタリオ州が46%を占めるまでに増加。

事業エリア拡大が彼らの成長にとって大きな意味合いをもっていることがわかります。


Gateway Casinosは2016年、オンタリオ州ゲーミング協会(OLG=Ontario Lottery and Gaming Corporation)より9施設の運営を受託しました。

オンタリオは人口約1,430万人を誇るカナダ最大の州ですが、2カジノ市場は停滞が続いていました。

2009年以上のゲーミング関連売上は減少傾向で、2014年には31.3億ドルまで落ち込んでいます。

そこでOLGは「Modernization Plan」に着手し、これまで州が担ってきたゲーミング施設運営を民間企業へ委譲していく方針を打ち出しました。

Gateway Casinosはカジノ施設の運営をOLGより受託し、ゲーム収益の70%を受け取ります。

カナダ最大のマーケットへの進出を果たしたことがGateway Casinosの成長を加速させているようです。


人件費やマーケティングコストは低下傾向。設備投資が先行してFCFはマイナスで推移

Gateway Casinosのコスト構造を確認してみます。

人件費率が最も高く、約40%で推移しています。

マーケティング費用は5.1%と低下傾向、施設数拡大によって地代(Occupancy)が13.2%に上昇しています。


バランスシートもチェックしてみましょう。

総資産10.1億カナダドル(869億円)に対して現金同等物が2.1億カナダドル(181億円)ほど。

有形資産が4.5億カナダドル(387億円)と資産全体の45%を占めています。

資産の調達原資は借入金が8.9億カナダドル(766億円)と最も大きくなっています。

営業キャッシュフローは継続的にプラスで、2016年、2017年と1億カナダドルを超えています。

オンタリオ進出に伴う設備投資が先行しているため、2017年のフリーキャッシュフローはマイナスとなりました。


Gateway Casinos進出3エリアの市場規模はラスベガスに匹敵

世界のカジノ市場といえば、「マカオ」「ラスベガス」「シンガポール」が3大都市としておなじみです。

マカオのカジノ売上は452億ドル(4.6兆円)と圧倒的。

次いでラスベガスが65億ドル(6,630億円)、シンガポールが61億ドル(6,222億円)ほど。


カナダはそれほど存在感は大きくない印象ですが、Gateway Casinosの上場申請資料によれば彼らが進出している3エリア合計の市場規模はラスベガスに引けを取らないようです。

2017年3月末時点でラスベガスのカジノ売上85億ドルに対し、カナダ3都市の合計が74億ドル。

ラスベガス以外の5大都市(ネバダ州、ペンシルベニア州、ルイジアナ州、イリノイ州、ニュージャージー州)の合計を大きく上回っています。

ブリティッシュコロンビア州は年平均成長率(CAGR)1.5%、オンタリオ州は3.8%のペースで市場は少しずつ拡大していく見込み。

公共セクターから民間企業へと運営主体のシフトを推し進めることで、カナダのカジノ産業は成長基調にあるようです。