子会社の再編費用で赤字が拡大!「RIZAPグループ」2019年3月期2Q決算

子会社の再編費用で赤字が拡大!「RIZAPグループ」2019年3月期2Q決算

「結果にコミットする」のフレーズでおなじみの「RIZAPグループ」(証券コード: 2928)が2019年2Q決算を発表しました。

2019年3月期2Q決算説明資料

これまでに数多くのM&Aを繰り返してきたことでも知られ、グループ会社の数は合計で85社に達しています。


四半期売上569億円(+67.8%)、営業損益 -51億円(通期見通しを+230億円から-33億円に修正)

RIZAPはM&Aを繰り返しながら売上規模を拡大しており、今四半期は569億円まで増加しています。

しかし、営業損失額は赤字に転じた前四半期からさらに拡大して51億円に膨らんでしまいました。


19/3上半期の現状を受けて、彼らは営業損益の通期見通しを大幅に下方修正しました。

当初は営業利益230億円を見込んでいましたが、一転して-33億円の赤字としています。

RIZAPグループは下方修正額-230億円の内訳を公表しており、M&Aの凍結による影響が103.6億円としています。

これは「M&Aによる割安購入益」の減少を指していると考えられます。

これまでRIZAPは純資産よりも買収価格の低い企業をM&A対象としており、その差額である「割安購入益」を大きな収益源としていました。

今期はM&A凍結によって「割安購入益」がなくなる影響が103.6億円にのぼるようですが、修正額全体に占める割合は45%程度。

その他に100億円以上の損失要因が存在しているということになります。

今四半期の赤字が51億円にのぼっている要因がどこにあるのか、最新決算をチェックしていきたいと思います。


買収子会社の不採算による特別損失で「プラットフォーム」事業が37億円の赤字

80社以上のM&Aを繰り返してきたRIZAPグループは今期から事業セグメントを再編成しています。

これまでは事業カテゴリに応じて各企業を「美容健康」「アパレル」「ライフスタイル」「エンタメ」の4セグメントに分類していました。

再編成後の新セグメントでは従来の「美容・ヘルスケア」「ライフスタイル」という区分に加え、印刷事業などグループ共通の基盤となる「プラットフォーム」事業が設置されました。

売上が最も大きいのはプラットフォーム事業ですが、前四半期と比べて減収となっています。

中核の『RIZAP』事業などが含まれる美容・ヘルスケアは210億円と堅調に増加しました。


セグメント損益を確認してみると、プラットフォーム事業の苦戦がさらにハッキリと表れています。

プラットフォーム事業の損失額が37億円にまで増加しています。

一体何があったのでしょうか?

プレスリリース

2018年3月に買収した「ワンダーコーポレーション」の「構造改革関連費用」として特別損失39億円を計上しています。

ワンダーコーポレーションは書籍・CDショップなどを運営しており、商品評価損や店舗撤退費用等が増加しました。


さらに、同じく2018年3月に買収した「サンケイリビング新聞社」も「ぱど」(2017年3月買収)との経営統合に伴って特別損失を計上しています。

プレスリリース

不採算となっていた美容関連のWebサイトを整理したことによる損失が2.9億円にのぼっています。

IFRS(国際会計基準)では特別損失は「その他の費用」として計上されるため、2018年3月に買収した2社の特別損失がRIZAPグループ全体の営業損益を前四半期よりも悪化させた直接的な要因だといえます。


『RIZAP』関連事業の売上が100億円を突破し、「美容・ヘルスケア」事業は堅調

グループの中核を担う「美容・ヘルスケア」事業は堅調に推移しています。

売上高は前四半期比で16%増加し、営業損益もトントンというところまで来ています。

業績を支えるのはやはり『RIZAP』関連事業です。

今四半期の売上高は100億円を超え、前年比71%増の137億円に達しています。

ボディメイクの累計会員数は12万人を突破し、引き続き収益の柱となっていきそうです。


また、英語教育事業『RIZAP English』は黒字に転じています。

店舗拡大で積極投資を続けていた『RIZAP Golf』も単月黒字化したとのこと。

『RIZAP』関連の新規事業で収益性が改善したことが「美容・ヘルスケア」事業の営業損失縮小につながっているようです。


一方、女性用下着を展開する「MRKホールディングス」は下方修正を行なっています。

新製品の生産遅延やCM放映などが響き、通期で当初予想から12億円以上の減額修正となっています。


11期ぶり黒字化に近づく「ジーンズメイト」など「ライフスタイル」事業の収益が改善

「ライフスタイル」事業についても、前四半期と比較して業績は改善しています。

今四半期の売上は141億と前四半期から22%の増収。

営業損失は5億円で、わずかではありますが縮小しています。


「ライフスタイル」事業を牽引するのはアパレル2社です。

アパレルECを展開する「夢展望」は今四半期の売上が27億円と前年から8%の増収。

シャツ・ブラウス専門のブランドである「ナラカミーチェ」を子会社化することで、通期の売上見通しを67億円に情報修正しました。


また、アパレルショップ『ジーンズメイト』が11期ぶりの上半期黒字化を達成しています。

今四半期の売上は43億円と前年からほぼ横ばいでしたが、営業損益は11期ぶりの上期黒字化を達成しました。

インバウンド需要の取り込みに成功しており、免税売上が前年比193%となりました。


上半期に100億円以上のキャッシュを燃焼

RIZAPのコスト構造を見てみると、売上原価率うが56.5%まで上昇しています。

反対に販管費率が45.0%に低下しており、広告宣伝費の削減などに着手していることが伺えます。

気になるRIZAPの財政状態は、総資産2022.9億円に対して現金同等物が572.2億円です。

主要な調達原資は有利子負債で、9月末時点で777.8億円と手持ちキャッシュより200億円以上多い状況となっています。

営業キャッシュフローは前期までわずかにプラスで推移していましたが、赤字に転落した今期は大幅なマイナスに。

フリーキャッシュフローはマイナスが続いており、上半期は100億円以上にマイナス幅が拡大してしまっています。

株価は下落が続いており、現在の時価総額は約1,920億円とピーク時の約4分の1まで落ち込んでいます。


急速にキャッシュフローが悪化する中で2018年以降に買収した企業の再建が間に合うのか、今後の動向に注目が集まります。