不動産メディア事業が46%増収!「リブセンス」2018年3Q決算

不動産メディア事業が46%増収!「リブセンス」2018年3Q決算

リブセンス

今回は求人サイトや不動産メディアを運営する「リブセンス」(証券コード:6054)2018年3Q決算が発表されました。

四半期売上17億円(+4%)、営業損失2,000万円

2018年3Q決算 説明会資料

売上推移を見ていくと、前年同期から4%増収の17億円です。

営業利益はマイナス2000万円となっています。

2016年3Qからの売上成長率を見ていくと、今四半期の売上成長率は4.5%です。

2018年1Qから2Qにかけて大幅に売上成長が鈍化していますが、今期は少し立て直したという感じです。


求人メディア売上は12.9億円(+2.4%)、不動産メディア売上は2.4億円(+46.5%)

リブセンスの事業セグメントは『マッハバイト』などを運営する「求人メディア事業」、賃貸物件検索サイトなどを運営する「不動産メディア事業」、「EC事業」の3つに分けられます。

セグメント別の売上推移を見ると、メイン事業である求人メディア事業の売上は前年同期比2.8%増収の12.9億円です。

セグメント別の売上成長率を見ると、不動産メディアが46.5%の成長をしており、リブセンスの成長をけん引しています。

DOOR賃貸

不動産メディア事業では賃貸物件を検索できるサイト『DOOR賃貸』を手がけています。

DOOR賃貸は成功報酬型のビジネスモデルであることが特徴です。

DOOR賃貸は物件の問い合わせが来るまで、掲載費用などのランニングコストがかかりません。

そのため、掲載課金型のポータルサイトでは割に合わない物件もDOOR賃貸ならガンガン掲載できます。

今四半期の不動産メディア事業の売上は2.4億円と、前年同期から8000万円売上拡大しています。

売上推移を見ていると、3Qと1Qの売上が大きく2Qと4Qの売上が小さくなるという季節性があるように思います。

1Q(1〜3月)は新学期シーズンですから、不動産関連の売上が拡大するのも納得です。

調べてみると、3Q(9〜12月)は人事異動の季節であるためと言われています。

一般的に人事異動は期末決算や半期決算の時期などに行われます。そのため、9月末は企業の半期末が多いということもあって、9月~10月は転勤による引越しが増えるようです。

EC事業は低調、ファッションECサイト「waja」は4Qから連結除外

EC事業は売上、営業利益ともに減少傾向にあり、今四半期の売上は1.3億円となっています。

利益はなかなか出ておらず、今四半期の営業利益はマイナス3600万です。

このEC事業に関してはwaja社へ株式譲渡を発表しており、次の四半期以降はwaja社の業績は連結決算から外れることになりました。

株式譲渡前はリブセンスが70.3%の株式を、waja社が25.7%を保有していました。

株式譲渡後はwaja社が81.3%を保有することになり、リブセンスの持分は14.8%となります。

waja社においては経営の自由度を高めるという観点から、リブセンスにとってはコア事業への経営リソースを集中できるとのこと。

「転職会議」売上は3億円(+7%)、転職ドラフトも好調

求人サイト事業では『転職会議』や『転職ドラフト』などの求人サイトを手がけています。

求人サイト事業の内訳の売上推移を見ていくと、転職会議とその他(転職ドラフト含む)がそれぞれ増収し、YoYで4.5%増収しています。

転職会議

転職会議

転職会議は口コミを投稿できる転職支援サイトであり、口コミ数は国内1位です。

転職会議BUSINESS

転職会議に登録しているユーザーに対して、ダイレクトにスカウトできるサービス『転職会議BUSINESS』に力を入れています。


転職会議BUSINESS利用企業数は増加傾向にあり、2017年1Qから2.5倍ほどに増加しています。

転職ドラフト

転職ドラフト

転職ドラフトはリブセンスが2016年2月にリリースしたサービスで、競争入札型の求人サイトとなっています。

企業は開催期間中、利用者のプロジェクト経験やスキルを見て指名を入れます。

通常、最終面接後に提示されることの多い「年収」が最初に提示されるので、転職ドラフト利用者は年収と仕事内容を見た上で、選考に進むか判断できます。

各社が「誰をいくらで指名したか」を閲覧でき、ユーザーのスペックも見られるのでリアルな相場を体感できることも特徴です。

入札参加企業はサイバーエージェントやDMMなどのインターネット企業が多いようです。

売上の30%を広告費に使うも現預金は29.5億円と潤沢

リブセンスは販管費率は89.6%と非常に高く、特に上昇傾向にあるのはその他販管費率です。

その他販管費率も上昇傾向にあり、今四半期は33%となっています。

営業費用やメディア開発関連費用などが増えました。

バランスシートを確認すると、総資産は42.3億円あります。

資産は現預金がBSの70%を占めており、29.5億円。

資産の原資となる負債純資産の部を見ると、利益剰余金が31.1億円にまで膨らんでいます。

純資産が36億円あるので、資産の85%が自己資本ということになります。

2018年11月15日の時価総額は98.49億円です。

現預金29.5億円を加味すると、企業価値(EV)は68.99億円となります。

売上目標とその進捗状況を確認すると、期末売上69億円の目標に対して今四半期の売上が52億円あります。

進捗率は75%ですから順調に推移していることがわかります。

営業利益の目標は具体的な数字を掲げておらず、マッハバイトの認知拡大等に投資を続けながら黒字確保を目指すとしています。

赤字が続いていたEC事業を手放すことを考えれば、黒字化の達成は現実味を帯びているといえるでしょう。