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「神の手」で話題になりつつも中核事業は「電子雑誌」のブランジスタ

  • 収益の内訳
  • 財政状態とキャッシュフロー
  • ブランジスタの今後の展望

今回は、電子雑誌やスマホクレーンゲーム「神の手」を手がけるブランジスタについて調べます。

(2017/9期決算説明資料より)

まずは軽く歴史を振り返ります。

2000年11月、親会社のネクシィーズのメールマガジン会員の運営を目的にイデアキューブ(株)が設立されます。

2005年にはプロ野球球団「福岡ソフトバンクホークス」のファンクラブ運営業務を受託。

2007年、ネクシィーズと芸能プロダクション(株)レプロエンタテインメントの共同出資により旧ブランジスタが設立。

旧ブランジスタで大人の女性の旅をナビゲートするトラベルマガジン 電子雑誌「旅色(たびいろ)」を創刊すると、イデアキューブで「旅色」掲載施設の広告取次業務を開始。

2011年にはイデアキューブが旧ブランジスタを吸収合併し、商号を「(株)ブランジスタ」に変更。

2015年9月、東証マザーズに株式を上場。

2015年10月に子会社「ブランジスタゲーム」を設立すると、2016年6月に秋元康プロデュース 3Dクレーンゲーム「神の手」の配信を開始。


過去7年間の業績推移です。

売上高は11.5億円から31.6億円へと順調に拡大しています。

本エントリでは、ブランジスタが展開する事業と決算数値をほりさげて見てみたいと思います。


収益の内訳

ブランジスタの売上は「電子書籍」「ソリューション他」の2つに分類されています。

① 電子書籍

電子版のみで制作・発行する無料の雑誌を発行。

旅行ウェブマガジン「旅色(たびいろ)」をはじめとして、幅広いジャンルを展開しています。

収益形態としては電子雑誌の広告掲載(自社完結型)のほか、電子雑誌の制作受託(制作納品型・広告営業タイアップ型)を行なっています。

② ソリューション他

電子書籍以外の事業には、大きく次の3つがあります。

1. ECサポート

サイトの企画から、制作・開発、運営、検証までをワンストップでサポート。

在庫一元管理システム「EC店長」や物流・出荷代行サービス「ブランジスタ物流」、海外販売代行サービス「越境ECサポート」などを提供。

2. ウェブサイト制作・運営

クライアントの戦略・ニーズに合わせてウェブサイトを制作・運営します。

3. CRMサービス

消費者向けに販売活動を行う企業に対して、キャンペーンの企画から運営までを代行。顧客データベースを構築して、会員組織の運営代行も行なっています。

4. ゲーム

子会社の「ブランジスタゲーム」を通じ、神体験3Dクレーンゲーム「神の手」を提供。

アイドルグループのプロデューサーとして有名な秋元康氏がプロデュースしていることで話題になりました。


2つの事業それぞれの収益をみてみます。

2017/9期には電子雑誌事業の売上が18.8億円、ソリューション他の売上が12.8億円となっています。

収益の柱はあくまでも電子雑誌事業であり、「神の手」の売上は現段階ではそれほど大きくはなさそうです。


財政状態とキャッシュフロー

続いて財政状態について見てみます。まずは資産の内訳です。

総資産34億円のうち、14.7億円が現預金、17.3億円が売掛金となっております。

固定資産がほとんどないのが特徴的です。

続いて、資産の源泉である負債と自己資本の内訳です。


利益剰余金が14.9億円近く、資本金と資本剰余金の合計は13.4億円に達しています。

キャッシュフローの推移です。

営業キャッシュフローは数千万円ほどと、それほど多くのキャッシュを生み出せているとは言えません。

2015/9期には上場により4.9億円弱を調達しています。

フリーキャッシュフローも見てみます。

過去5年の平均は2100万円ほど。

ブランジスタは、売上31億円、営業利益も3億円と、事業規模を順調に拡大しているように見えます。

しかし、キャッシュフローという観点で見ると現時点ではあまり稼げていないというのが事実です。

ブランジスタの今後の展望

それでは、ブランジスタはこれから先、どのような成長戦略を描いているのでしょうか。

次のように、大きく4つの柱を掲げています。

(2017/9期決算説明資料)

1. 新雑誌創刊

一つ目の戦略は、新雑誌の創刊です。

2017/9期には次の3つを新しく創刊しています。

・資産運用型マンションを提供する青山メインランドとの共同発行誌「MaRiche」

・おつまみ缶詰「缶つま」を発売する国分グループ本社との共同発行誌「飲み旅本。」

・スマホファッションマガジン「BeViVi」

3つ目の「BeViVi」では、スマホで読んで、そのまま買える「マガジンコマース」を推進しています。


今期もメディアハーツとの共同発行による美容スマホマガジンなど、続々と電子雑誌を発刊していく予定。

この先も多様なジャンルに雑誌を展開していくつもりのようです。

「雑誌の再発明」ということでしょうか。

2. 自治体とのタイアップ強化

二つ目の戦略は「自治体とのタイアップ強化」です。こちらも、すでに取り組みを始めています。

北海道・上川町、宮城県、岡山市、金沢市、京都府、鳥取市などと連携の上、タイアップ誌を多数展開。

全国の市町村と電子雑誌によるプロモーション手段を提供していく構えです。

確かに、地方都市にとってはこういうニーズはありそう。

3. インバウンド対策支援電子雑誌強化

3つ目は「インバウンド対策支援電子雑誌」の強化。

台湾や英語圏など、海外の読者に向けた電子雑誌を展開。

確かに、日本に渡航する海外旅行者にとってはこういう雑誌のニーズはあるはずです。

今年12月にはチャイナエアライン協賛メディア「Ciao」との提携により、台湾版「旅色」の現地PRを強化。

台湾を中心として、海外展開を加速していく構えです。

4. 国内外のECコンサル強化

4つ目は「国内外のECコンサル強化」。

ブランジスタのソリューション事業では、ネットショップ運営事業者をサポートするコンサルティングサービスを提供しています。

出店代行から物流サポート、販促サポートまでを展開。

越境ECのサポートサービスも始動しています。

輸出・輸入の両方をサポートしようとしています。

これが実現できたらポテンシャルは大きいはずですが、楽天やアリババなどとも無縁ではない領域でもある中、ブランジスタがどれだけ有効なサービスを提供できるのでしょうか。


2018/9期の業績予想です。

ゲームへの投資がかさみ、営業利益はゼロになる見通し。かなり積極的ですね。

戦略の中には「神の手」への言及はほとんどありませんでしたので、事業の柱は今後も電子雑誌事業であり続けるのだと思います。

「雑誌」という体験をスマホで再構築し、それをEコマースにつなげるという試みはとても面白いものだと思いますし、インバウンド需要との相性も良さそうです。

ブランジスタという企業がどうなっていくのか、今後もワッチしていきたいと思います。


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