【保存版】アパレルからOTA、CtoC、越境ECまで!国内のEコマース市場規模のデータを経産省の統計からまとめてみた

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経済産業省が毎年出している「電子商取引実態調査」というレポートがあります。

1998年以来、毎年行われているもので、国内外のEコマース市場の状況について、とても示唆に富む内容となっています。

次のグラフは、日本国内における消費者向けEコマース(BtoC EC)の市場規模の推移を表しています。

2005年に凹んでいるように見えるのは、アメリカとの比較のために調査範囲を統一したため。

2016年の国内消費者向けEコマースの市場規模は15兆円を超えており、10年前(2006年)の4.4兆円と比べて3倍以上の規模に成長しています。

今回の記事では、経産省のレポートを元に、特に重要だと思うファクトデータを並べ、一つずつグラフにしていきたいと思います。

消費者向けEコマース市場規模の内訳

経産省のレポートでは、2013年より「物販系」「サービス系」「デジタル系」の大きく3種類に分類しています。

「物販系」は一般的なオンライン通販、「サービス系」は旅行や飲食、金融など、「デジタル系」は電子書籍や音楽、ゲームなどのデジタルコンテンツが含まれています。

15兆円に達したEC市場規模の三種類ごとの内訳を見てみましょう。


物販系分野が8兆円と大きく、サービス系が5.3兆円デジタル系が1.8兆円弱となっています。

物販系は2013年と比べて33.5%、サービス系は31.5%、デジタル系は61.4%の成長率となっています。

物販系Eコマースの市場規模

続いて、3つの分野それぞれの市場規模の内訳を見てみましょう。まずは物販系。いわゆるオンライン通販の市場規模です。

物販系で最も大きくなっているのがアパレル(衣類・服飾雑貨等)で、1.5兆円ほどの市場規模となっています。

「食品、飲料、酒類」も1.45兆円、「家電、AV機器、PC等」も1.42兆円、「雑貨、家具、インテリア」は1.35兆円と、その他のジャンルも同じくらいの規模に成長しています。

Amazonに代表される「書籍、映像・音楽」は1兆円ほど。

また、物販系Eコマース全体の市場規模の中で、スマートフォンが占める割合は3割強となっています。

スタートトゥデイなどはスマホ比率が80%を超えていますが、業界全体ではまだまだこれから、という状況のようです。

そうすると、「スマホ比率が低いカテゴリの物販ECは奪えるのでは?」など想像が掻き立てられます。

国内サービス系Eコマース市場

続いて、旅行や飲食など、サービス系ECの市場規模です。

サービス系Eコマースの市場規模は5.3兆円ほどにまで成長していますが、そのうち3兆円は旅行サービスによるものとなっています。

いわゆるOTA(Online Travel Agent)と言われるジャンルで、要するにオンライン旅行代理店ですね。

近年、盛り上がっている飲食サービスは3292億円、チケット販売は4468億円となっています。金融サービスは6113億円。

理美容サービスが3261億円と、飲食に匹敵する規模に成長しています。

国内デジタル系Eコマースの市場規模

続いて、デジタルコンテンツの市場規模です。Stockclipもこの中に分類されることになります。

デジタルコンテンツの市場規模は1.8兆円ほどありますが、そのうち1.3兆円はオンラインゲームによるものとなっています。圧倒的ですね。

成長著しい電子出版市場は2151億円、有料動画配信は1153億円、音楽配信は529億円とのこと。

CtoC(オークション、フリマ)の市場規模

経産省のレポートでは、2016年からCtoCの市場規模についても記載があります。

残念ながらそれ以前のデータはなく、単年のデータとはなってしまいますが、触れないわけにはいきません。

ネットオークション全体(事業者が販売するBtoCも含む)では、1兆円の市場規模があります。

そのうち、CtoCのネットオークションは3458億円ほど。それに対してフリマアプリは3052億円の市場規模があるとのこと。

ここ5年で急速に立ち上がったフリマアプリの市場がネットオークションのCtoCと同規模まで急成長していることがわかります。

越境ECの市場規模

以上3つで国内のEコマース市場については全部カバーできていますが、別軸で注目されている領域に「越境EC」があります。

要するに「国を跨いだオンライン商取引」ということですが、その越境ECの市場規模を見てみましょう。

2012年までは三か国合計で5000億円以下に過ぎなかったのが、2013年に突然1.7兆円に増加しているように見えます。

ただ、これは例によって「より実態に近い市場規模算出を目指し推計範囲を拡大した」ためとのこと。算出基準の変更ですね。

そのため、比較できるのは2013年以降の値となりますが、全体で1.7兆円(2013)から3.45兆円(2016)へと倍増しています。

そのうち最も大きく成長したのは中国で、8073億円(2013)から2兆1717億円(2016)へと3倍近くに増加。

同じくアメリカは7198億円から1兆415億円、日本は1915億円から2396億円という変化です。

中国国内の需要の巨大さが知れる結果となりました。

総務省では2020年までの推計値も発表しています。

それによると、越境ECの市場規模は2020年には中国でおよそ4兆円、米国は1.8兆円、日本は2832億円まで成長すると推計しています。

日本から中国への越境ECは2016年の1兆円から1.9兆円、米国への越境ECは6156億円から1兆円に拡大することが見込まれており、各社にとって大きなビジネスチャンスになりそうです。

楽天などは中国のネット企業「NetEase」と提携し、越境ECへの施策も本格化しているようです。

楽天と中国大手ECサイト「Kaola.com」が 戦略的提携契約を締結


世界のEコマース市場規模

最後に、世界のEコマースはどのくらいの市場規模があるのかを確認してみます。単位は米ドルです。

中国が9276億ドルと圧倒的な規模になっています。2年前まで4262億ドルだったので、2年で2倍以上に成長しています。

アメリカは3983億ドルで、2年前に比べて30%の成長。日本は774億ドルで同じく9.3%の成長です。

その他に目につく点としては、韓国が2年で37%の成長を遂げていること、ドイツが逆に9%の減少となっていることです。

また、2015年までランク外だったインドが2016年には10位(160億ドル)に入っています。


総括として、世界全体のEC市場規模の推測値をみて終わりにしましょう。

2020年には4兆ドルと、2016年の2倍以上に成長する見込みです。

2013年には1兆ドルしかなかったことを考えても、世界が急速に変化していることがわかります。


しらみつぶしに1社ずつ調べていくのも悪くありませんが、こうしたマクロデータが頭に入っているだけでも、「どの企業を調べるか」という当たりがつけやすくなるのではないかと思ってまとめてみました。

官庁が出しているデータには有用なものも多いので、今後もコンスタントに整理していけたらと思います。