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キャリア事業の四半期利益が21億円に!医療分野で全面投資を続ける「エムスリー」Q2決算まとめ

  • キャリア事業の利益が21億円に急増
  • メディカルプラットフォーム事業ではAI診断に投資
  • キャリア事業は年間188億円ペース
  • 新興事業群も急拡大が予想
  • アメリカの治験事業に参入
  • 財政状態とEV(企業価値)

今回は、時価総額1.4兆円の医療系インターネット企業、「エムスリー」の最新決算についてまとめます。


まずは早速、トップライン(売上収益)の推移について見てみましょう。

四半期の売上収益は今回、268億9,800万円に。右肩上がりの成長を続けています。

エムスリーは毎年2Q(7〜9月)の売上が減少する季節性があるようです。

営業利益も同じく伸びており、78億4,000万円。こちらも、毎年4Q(1〜3月)に利益が大きくなる季節性がみられます。

売上収益と営業利益それぞれについて、前年からの増加率を計算してみます。

売上収益の増加率は23%と高い水準をキープしています。

営業利益率の伸びも18%と、近い水準。


キャリア事業の利益が21億円に急増

続いて、エムスリーの売上拡大を支えているのはどの事業なのか、セグメント毎の売上収益について見てみましょう。

(2017/3Q2以前は医療ポータル、診療プラットフォーム、営業プラットフォームを合算)

エムスリーは、メディカル企業向けのマーケティングサービスなどを提供する「メディカルプラットフォーム」を軸としていましたが、それ以外の3事業も含めてバランスよく拡大。

直近では、メディカルプラットフォームが81億円、エビデンスソリューションが54億円、キャリア事業が48億円、海外事業が60億円もの収益をあげています。

事業ごとの売上成長率を計算してみると、「エビデンスソリューション」だけが横ばい。

中核事業の「メディカルプラットフォーム」は前年比28%、キャリア事業は37%、海外事業は11.45%と、その他の3事業は大きく拡大しています。


セグメント利益についても確認してみます。

売上ベースだと周辺事業の存在感が大きくなったものの、利益ベースでは今でもメディカルプラットフォームが中心でした。今四半期は31億円の利益。

しかし、ここにきてキャリア事業の利益も21億円と、前年同期(14.5億円)と比べて47.5%も増益となっています。


メディカルプラットフォーム事業ではAI診断に投資

一方、中核事業であるメディカルプラットフォームの利益は前年同期(33億5400万円)から8%の減収です。

決算説明会資料によると、「AI事業などへの先行投資」によりコストがかさんでいるとのこと。


エムスリーのメディカルプラットフォーム事業は既におよそ70社が利用しており、最大で100社まで成長させることができるとしています。

そして、利用企業あたりの売上単価も現在の1.6倍〜2倍程度に伸ばす余地があるとし、全体として4〜5倍の成長余地があるとのこと。

現在は、さらなる成長のためにマーケティング関連のチーム強化や、AI分野への先行投資にお金を投じています。


具体的には、AIプラットフォーム「Doc + AI(ドクエイ)」を開発しています。

M3の診断エンジンの精度はすでに世界最高基準に達しているとのこと。

また、人工知能による診断の精度はデータ量で勝負がつくため、すでに多くの顧客を持つエムスリーは有利であると主張しています。


キャリア事業は年間188億円ペース

そして、エムスリーの中で成長著しいのが「キャリアソリューション事業」です。

エムスリーのキャリア事業は急拡大を続けており、2017年度の売上は108億円を超えました。

今期は1Q時点ですでに47億円ということで、このままいくと年間188億円というペースです(エムスリーの計画値は130億円)。


新興事業群も急拡大が予想

そして、それ以上に今後インパクトを持ちそうなのが「エマージング事業群」です。

四半期売上は26.5億円と、エムスリーの事業群の中では「その他」的な扱いですが、年間売上は120億円規模と、全体の計画値(1133億円)のおよそ10%を占める計画です。

前年からの売上増加率でいうと、97%という非常に高い水準であり、今後も加速していくことが予想されています。

エムスリーグループで製品化を進めている人工硬膜「デュラビーム」は、発売されれば52.9%の医師が使用意向を示しており、大きな需要が期待されます。

グループ企業の「ソフィアメディ」にて在宅医療分野にも進出しており、売上は2017年時点ですでに30億円規模。

6,300人もの人が既に利用しており、高齢化が進む日本社会では今後も力強いニーズが見込めそうです。

PSP(Patient Support Program)では、エムスリーのプラットフォームを活かして企業向けの医療サポートサービスも展開。

インターネットで医師に相談できる「AskDoctors」をはじめ、包括的な4種類のサービスをワンストップで提供。

企業の顧客ロイヤルティを図るNPS(ネットプロモータースコア)と呼ばれる指標がありますが、ZOZOTOWNやiPhoneなどがマイナスに陥っている一方、PSPは+84と異常に高い数値です。

(NPS)

マイナスとなっているサービスも各ジャンルではトップの華々しいサービスです。

そう考えると、エムスリーの「PSP」におけるプラス84というのは異常としか言えません。


アメリカの治験事業に参入

エムスリー全体の中では成長率は低め(10%程度)ですが、海外事業も伸びています。


今期の海外売上は270億円規模を予定しています。

1Qは60億円ほどだったので、ペース的には30億円足りませんが、「Wake Research」という会社を買収したことで業績が上振れする見込みのようです。

アメリカの治験支援事業の市場規模は140億ドルにものぼり、現時点で12施設、売上20億円をあげています。

これを数年のうちに倍増させる見込みとのこと。

エムスリーの海外売上比率は22%程度。

5年前と比べると、徐々に拡大していることが見て取れます。


財政状態とEV(企業価値)

最後に、エムスリーの財政状態について軽くチェックしておきましょう。

資産の合計は1154億円あり、そのうち現金同等物は218億円。

買収による「のれん」が388億円と大きいですね。

持分法投資は13.5億円、長期金融資産は合計で60億円ほどあります。


借入金などの金融負債はあるものの、合計でも10億円前後とあまり大きくはありません。

資産の源泉として最も大きいのは「利益剰余金」で、731億円近くあります。

四半期キャッシュフローも公開されています。

営業キャッシュフローとして30億円ちょっとを稼いでいます。前年と同じくらいですね。

設備投資などは微々たるものですから、丸々27億円くらいのフリーキャッシュフロー を稼いでいることになります。

株価はここのところ横ばいですが、時価総額は1.4兆円ほどあります。

現金や金融資産が300億円近くありますが、それを考慮しても微々たるものですね。

エムスリーが年間100億円のキャッシュフローを稼ぐとして、元を取るまでに140年くらいかかります。

やはり優良企業は市場からものすごく高く評価されるということがわかります。

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