40%増収も株価は14%暴落!海外売上がアメリカ国内を上回ったモンスターサブスク企業「Netflix」の2Q決算まとめ

今回は、「テラスハウス」「ブラックミラー」などの人気ドラマシリーズを配信する「Netflix」の2018年2Qの決算をみていきます。

まずは四半期ごとの売上からみていきましょう。

2018年1Qの売上高は37億ドルだったのに対して、2Qは39億ドルとなっています。

営業利益も4億6000万ドルほどあります。

前年同期比からの売上成長率は、40%という高い水準をキープしています。

年間売上1兆円を超えても40%もの売上成長率を維持するというのはとんでもないことです。

四半期ごとの売上成長率についても計算してみましょう。


1Q'18には、前の四半期から12%も売上が増加しましたが、今2Q'18は5%の成長にとどまっています。

今までの成長が異常だったので少し落ち着いた感じでしょうか。

売上原価率は引き続き改善

続いて、Netflixのコスト構造がどのように変化してきたか見てみましょう。

まず、売上に対する費用の割合を計算してみます。

Netflixの売上原価率(Cost of revenues)は70%前後(1Q'16)と、インターネット企業にしてはかなり高めでした。

しかし、それから2年間で原価率は58.6%にまで大きく低下しています。

マーケティング費用は直前1Qの4億8000万ドルから5億2600万ドルへと10%近く増加しています。

また、売上原価は23億ドル近くにも達しており、この中にコンテンツに対する費用(オリジナルコンテンツの製作含む)が含まれています。

これだけのコストをコンテンツに投じて、なお売上原価率が下がり続けているというのが驚異的。


会員数が1.3億人に到達

続いて、Netflixにとって最も重要なKPIである、会員数の推移です。

全体の会員数(無料含む)は前1Qの1億2500万人から500万人増加し、1億3000万人となりました。

有料会員数の推移についてもみてみましょう。

1Qでは1億2000万人だった有料会員がおよそ1億2500万人にまで増加しています。

ついに海外の売上が国内を上回る

そして、その1億2500万人の内訳は過去と比べて大きく変わっています。

2017年3Qには、すでに海外の有料会員数がアメリカ国内を上回っていましたが、2018年2Qはその差がかなり拡大しました。

国内の有料会員数は5596万人、海外は6839万人なので、海外の方が22%も有料会員数が多いことになります。

海外での有料会員がすごい勢いで増加し、その一方でアメリカ国内の成長は鈍化しているように見えます。


地域ごとの売上をみていきましょう。

2018年1Qまでは、国内での売上が海外を上回っていたものの、2018年2Qではついに海外での売上が国内を上回りました。

それぞれ19億ドルずつなので、毎月6億ドル以上を国内と海外で稼いでいることになります。(1日20億円ずつ)

地域別の利益率(Contribution margin)についても計算してみましょう。

アメリカ国内事業は、安定して高い利益率を維持しており、直近でも40%近い利益率となっています。

拡大を続ける海外事業でも継続して利益率が改善しており、15%前後にまで達しています。

やはりNetflixの成長率は「海外事業の伸び」で支えられていることが分かります。


純額2兆円近くものコンテンツ資産

続いてバランスシートをチェックしましょう。

資産の内訳

総資産は225億ドルにのぼり、そのうち170億円がコンテンツ資産となっています。日本円で1.9兆円もコンテンツ資産を保有していることになります。

現金同等物(Cash and cash equivalents)はおよそ40億ドル。

2018年1Qの25億ドルから15億ドルほど増加しています。


負債・純資産

次に資産の源泉である負債・純資産をみていきましょう。

長期借入金が83億ドルもあります。2018年1Qには65億ドルほどだったので18億ドル増加したことになります。

利益剰余金は24億ドルしかなく、「コンテンツ負債」が81億ドルあります。

Netflixのバランスシートは、そのほとんどが負債から成り立っていることが分かります。


キャッシュフロー

続いてはキャッシュフローです。


営業キャッシュフローは常にマイナスになっており、足りないお金を賄うために巨額の借入金(Debt)で資金を調達しています。

財務キャッシュフローをみてみると、19億ドルもの社債を発行していることがわかります。


14%もの株価暴落の理由

最後に株価をみていきましょう。


2018年7月16日に株価が大幅に下落しています。時価総額は1740億ドル。

これは今期の会員数が、予想されていた会員数を大きく下回ったことが原因としてあげられます。

2018年2Qには620万人(海外:500万人、国内120万人)の会員数増加が見込まれていました。

これに対し、今期の新規会員数はおよそ520万人(海外:440万人、国内60万人)にとどまっています。

およそ100万人ほど予想を下回りました。


Netflixの株価はまるで天井を知らないかのように伸び続けていたため、それだけ投資家たちにとってのショックも大きかったことが想像できます。

来期の会員の純増数については、予想を500万人(海外:435万人、国内:65万人)とし、昨年同時期より30万人減速すると予測。


Netflixといえば、どのメディア企業よりも大きな年間1兆円規模ものお金をコンテンツに投じていることが話題となっていますが、彼らがこの先どこまで成長を続けることができるのか注目です。


追記:Netflixの株価ですが、あのあとすぐに戻して日中は-5%程度で済んだようです。激しいですね。