創業5年で売上95億円!中古不動産市場をITで革新することを目指す「GAテクノロジーズ」が新規上場

IPO

今回は7月25日に上場予定の「GAテクノロジーズ」について取り上げたいと思います。

GAテクノロジーは「リーテック市場」の対象となる中古不動産のポータルサービスを運営しています。

リーテック(ReTech)とはリアルエステート(不動産)とテクノロジーを掛け合わせた造語で、アメリカから始まり世界45ヶ国に1,300以上のサービスが存在すると言われています。

ホームページより

創業者の樋口龍氏は1982年、東京出身。

小学校からサッカーをはじめ、サッカーの名門帝京高校を卒業。

Jリーグに加盟している「ジェフユナイテッド市原・千葉」に育成選手として5年間所属しました。

育成選手ではお金がもらえないため、アルバイトをしながらプロを目指していましたが、23歳で断念。

その時にソフトバンクの孫正義氏の「志高く」という本に出会いました。

サッカーに一筋だった樋口氏は、ビジネスの世界に対してあまり良いイメージはなかったものの、ビジネスの世界でも死ぬ気で頑張っている人がいることを知って衝撃を受けたそうです。

2007年に中堅不動産デベロッパーに入社し、徹底した努力を重ね、7ヶ月でトップセールスマンになります。

サッカー選手時代から「世界を目指す」ことを決めていた樋口氏は2013年に起業を決意。

2013年、アナログな不動産業界にテクノロジーで革命を起こすことを目指し、(株)GAテクノロジーズを設立しました。

日本の中古不動産市場は世界と比べて、割合が小さいことに可能性があると着目。

業者と消費者の情報格差が原因であると考え、2016年に情報格差を埋めるためのサービスRenosy(リノシー)をリリース。

2017年にはチャットで気軽に相談できる、不動産投資アプリも開始。

2018年6月20日に東証マザーズへの上場承認されました。


それでは「GAテクノロジーズ」の業績推移を見てみましょう。

売上高は2013/10期では1億7,901万円でしたが、2017/10期には95億5,760万円まで拡大。

5年間で売上が53倍となっており、ものすごい勢いで急成長を遂げています。

ここ5年間で急成長を遂げた、GAテクノロジーズとは一体どのような会社なのでしょうか?



AI技術が活用されている不動産×ITのサービス「Renosy」

GAテクノロジーズのメイン事業は、中古不動産ポータルサイト「Renosy」の運営です。

Renosyは一般的なプラットフォームと異なり、家探し、リノベーション、資産活用、購入後の管理などをトータルでサポートします。

有価証券報告書

豊洲のタワーマンション、目黒の駅チカなど自分のライフスタイルに合わせた物件をオススメの中から探すことができます。

Renosy

さらに特徴として、販売していない不動産も掲載されており、希望する物件があれば「販売待ち」の状態にすることができ、状態が変化したらアラートを飛ばす機能もあります。

忙しくて物件探しの時間がない人には、専属エージェントがヒアリングを行い、ニーズに合わせて最適な住まいを提案してくれます。


また不動産販売だけでなく、不動産投資家のためのアプリ『Renosy Insight』も提供しています。

Renosy insightでは、ポートフォリオ管理、収支シミュレーション、キャッシュフローの確認など不動産投資に関わる情報を完結させることができます。

不動産投資初心者のための学習コンテンツも用意されています。


GAテクノロジーズのビジネスモデル

GAテクノロジーの収入源は、中古不動産を販売することによる売買収入、掲載している不動産の売買による仲介収入、販売後の物件の集金代行などによる手数料収入の3つとなっています。


それぞれの売上は公表されていませんが、売上原価明細書を見てみると推測できます。

2017/10期における全体の売上高95億5,760万円に対して、不動産仕入高は74億4,379万円となっています。

物件を自ら仕入れ、顧客に販売するという部分が最も大きいことが分かります。


Renosyを支えるAI技術

Renosyでは4つのAIテクノロジーを活用しています。 

有価証券届出書

過去の地域属性や取引履歴などから、価格・家賃の推定を行いユーザーに提供したり、取引履歴を元に早期に取引が成立しやすい物件をスクリーニングして仕入れを行うなど、事業の売上に関わる部分で活用しています。


財務状況:積み上がる利益剰余金

GAテクノロジーズの財務状況を確認していきましょう。

資産


2017年10月末時点において、総資産9億円のうち、現預金は4億円となっています。

販売用不動産は9,689万円と売上に対してあまり在庫は抱えていないようです。


負債・純資産

それでは資産の源泉を見ていきましょう。

2017年10月末時点において、借入金2億円、利益剰余金2億円となっています。

2016年10月末時点ではマイナスだった、利益剰余金が積み上がり始めています。

借入金は4億円から2億円へと減少しています。


キャッシュフロー


2016/10期において営業キャッシュフローはマイナス2億円でしたが、2017/10期ではプラス5億円と大きくプラスに転じています。

また、営業キャッシュフローで稼いで、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローに充てる良い形となっています。


フリーキャッシュフロー

2017/10期におけるフリーキャッシュフローは3億円となっています。


2018年度上半期も好調

最後に2018年2Qでの売上を見てみましょう。

2018年2Qでの売上は81億円となっており、半年で2017/10期の売上高の96億円にすでに迫っています。

四半期ごとの売上がないため、このペースが続くのかはわかりませんが、2018年度も好調なスタートを切っていると考えて良いでしょう。


2016年に閣議決定された「住生活基本計画」において、既存住宅流通・リフォームの市場規模を11兆円(2013年)から20兆円(2025年)へと増大させることが目標として掲げられています。

今後も中古不動産市場は拡大する流れになっているので、GAテクノロジーズは売上を伸ばす余地はありそうです。


さらにGAテクノロジーズでは新規事業として、不動産クラウドファンディングを進めています。

不動産を小口化して、複数の会員から出資を募り、共有の持分として出た利益を分配する運用を想定しています。

有価証券届出書

株式で調達した資金のうち、4,500万円を運転資金としてあてるようです。

最近では、シノケングループも不動産投資ファンドを設立しようとしています。

これは2017年に不動産特定共同事業法が改正されたことにより、不動産投資でもクラウドファンディングが可能となったことで不動産ファンドが設立しやすくなっています。


GAテクノロジーズがこのままの業績を伸ばしていくことで、アナログな不動産業界を刷新し、経営理念にある「感動」を人々に与えることができる会社になるのではないでしょうか。