「アングリーバード」のRovio Entertainmentが上場!そもそもどんな会社なのか?

iPhone向けモバイルゲーム「Angry Birds」などで有名なRovio Entertainmentが株式上場を果たしました。

ホームページを見ると、「鳥」がドヤ顔しています。名前は「レッド」というそうで、そのままですね。卵のためなら命もかけるらしい。

上の画像では「羽を広げてRovioのIPOに参加しよう!」などと言っていますが、実際には申し込みが多すぎて締め切ってしまったようです。

Rovio's public offering of shares has been discontinued due to oversubscription.

リンク先の詳細は日本からは法的な理由でアクセスできないらしいですが、そういうもんなんですね。不思議。

Rovio Entertainmentの歴史

Rovioがどんな会社なのかを知るために、歴史的背景を調べてみます。公式ホームページはなぜか空だったので、Wikipediaより。


2003年、ヘルシンキ工科大学の3人の学生たちが、ノキアとヒューレット・パッカードがスポンサーしたモバイルゲーム開発コンペに参加します。

3人は「King of the Cabbage World」の開発で優勝し、「Relude」という会社を設立することに。

「King of the Cabbage World」は「Sumea」という会社に売却され、「Mole War」に改名。リアルタイム型の複数参加型モバイルゲームのはしりとして知られています。

2005年になると、Reludeはエンジェル投資家から最初の外部資本を受け入れ、「Rovio Mobile」に社名を変更。

Rivioはフィンランド語で「薪」という意味らしい。


そして、2009年にリリースした作品が「Angry Birds」で、同社の52番目の作品だったそうです。6ヶ月後にはApple AppStoreでランキング第1位に。


2011年にはベンチャー・キャピタルのアクセル・パートナーズ、アトミコ、フェリシス・ベンチャーズから4200万ドルの出資を受けます。

同年に社名を「Rovio Entertainment」に変更し、さらにヘルシンキのアニメ会社「Kombo」を買収。

2012年にはAngry Birdsの累計ダウンロード数が10億を突破したことを発表。

大手ゲーム会社のActivisionと連携してコンドールゲームを発売したり、「Angry Birds Star Wars」を発表したりと外部連携を進めます。

2014年にはシリーズ累計で20億ダウンロードを突破。

そして今年の9月にヘルシンキで上場、という流れです。

Rovio Entertainmentの業績

さて、それではRovioの事業数値を見ていきます。といってもIRページから数字を拾ってくるだけですが。

まずは売上です。

2016年はゲーム事業が1.59億ユーロ(211億円)、ブランド・ライセンスが3270万ユーロ(43億円)で、合わせて1.917億ユーロ(254億円)ほどとなっています。

世界的に売れたゲームの割には少ししょぼいなと感じてしまいます。全盛期はもっとすごかったのでしょうか。

続いて、調整後営業利益です。

2016年は、ゲーム事業が2890万ユーロ(38.3億円)の利益をだし、全体では1690万ユーロ(22.4億円)となっています。

ブランド・ライセンス事業は170万ユーロ(2.2億円)の赤字。

営業利益率は8.8%という水準になっています。

「Angry Birds」というゲームのブランド力の割にはあまりにもしょぼい結果となっています。

検索してみると、Rovio自身が2011年から2013年までの業績リリースを出していたことがわかりました。

Rovio Entertainment reports 2011 financial results

Rovio Entertainment Reports 2012 Financial Results

Rovio Entertainment reports 2013 financial results

それによると、売上の推移は次のような感じとなります。

しょぼいと言いましたが、2016年の売上は市場最高だったようです。

日本のソーシャルゲーム業界を見ていると、ゲームって簡単にスッゲー儲かりそうなイメージがありますが、世界的にヒットした「Angry Birds」のようなゲームでさえ、創業から10年以上経ってようやく254億円の売上という結果。

そう考えると、日本のソシャゲすごいなと改めて思うこととなりました。