世界で最も有名な地方新聞であり、アメリカでの発行部数第3位をほこる「ニューヨークタイムズ」についてまとめます。
創刊は1851年、ゴールドラッシュの時代までさかのぼります。
ヘンリー・ジャーヴィス・レイモンド(AP通信の創設者)とジョージ・ジョーンズによって創刊され、日曜日を除いて毎朝発行される日刊紙としてスタートしました。
それまでの地方紙とは異なり、高級路線をとったことで人気を博します。
また、1870年ごろにニューヨーク市民の25%近くがドイツ移民となったことを受けて、ドイツ語版の発行も開始。
紙面は現在、国際版を含めて130の国と地域で発行されています。
1904年にはタイムズ・タワーの建設とともに、ロング・エーカー・スクエアが「タイムズ・スクエア」に改名されました。
創刊167年の歴史を誇り、USAトゥデイ、ウォール・ストリート・ジャーナルに続いて現在でもアメリカ国内での発行部数第3位となっています。
デジタル化による出版不況が叫ばれて久しいですが、経営状況はどうなっているのでしょうか。
2002年以降の業績を見てみましょう。
売上高は2005/12期の33億ドルをピークに減少の一途をたどっており、2006/12期には5億2061万ドルの営業赤字を計上。2016/12期は15億ドルとなっており、10年間で売上が半減しています。
事業規模が縮小したのは「デジタル化による発行部数の減少」が原因であると想像がつきますが、実際のところはどういう状況なのでしょうか?
今回のエントリでは、ニューヨークタイムズの現状について、決算数値を中心にまとめてみたいと思います。
ニューヨークタイムズの事業は「ニュースコンテンツ」「その他」の大きく二つに分けることができます。
当然ながら、メインは「ニュースコンテンツ」の方で、そちらはさらに「紙媒体」「デジタル」の大きく二つに分けることができます。