サイバーエージェントの事業数値から見る事業の変遷

注目企業の決算数値を追うシリーズ、今回はサイバーエージェントです。

サイバーエージェントの概要

サイバーエージェントは1998年に藤田晋氏によって設立されたインターネット企業。

同年、自社開発の広告商品「サイバークリック」の販売を開始。そして2000年には早くも東証マザーズへの上場を果たします。

2004年に「アメーバブログ(現Ameba)」、2009年には仮想空間アバターサービス「アメーバピグ」を開始。

2011年からゲーム事業に進出すると、2012年にはスマートフォン向けゲーム「Rage of Bahamut」が全米No.1を記録。

2016年にはインターネットテレビ局「AbemaTV」を開局するなど、今なおチャレンジを続けている企業です。

全体の業績がこちら。

眩しいばかりの右肩上がりで、売上高は3000億円を突破しています。

営業利益率は概ね10%前後で推移しています。

コスト構造

サイバーエージェントのコスト構造を知るために、営業費用の対売上比率をみてみます。

売上原価率は60%前後で推移し、近年は64%前後に少し上昇しています。

一方、販管費は2002年ごろは40%を超えていたのが、近年は24%前後にまで落ち着いています。

販管費の主な内訳である給与手当と広告宣伝費などの対売上比率の推移をみてみます。

給与手当、広告宣伝費共に年によって大きく対売上比率が違うことがわかります。

そして、2016年は対売上比8%とかなり積極的に広告宣伝費を使っています。


セグメント収益

次にセグメント収益の内訳(%)の推移です。サイバーエージェントは割と頻繁に事業セグメントを変更するのですが、できる限り名寄せしてみました。

一貫してあるのはインターネット広告事業だけで、現在も全体の51%と収益の大部分を占めています。

Ameba事業はメディアに含まれたり切り出されたりしていて、単純な比較をすることは難しいのですが、ここ3年の成長はインターネット広告事業とゲーム事業によってドライブされてきたことがわかります。

財務状況

次に、サイバーエージェントの財務状況の変遷をチェックします。

まずは自己資本比率の推移です。

2002年ごろは自己資本比率が86%とかなり高かったものの、2012年には40%を割るまで低下し、負債比率が上昇しています。

近年は概ね40%前後で落ち着いているようです。

負債比率は上昇していますが、サイバーエージェントの借入金はあまり多くないはずです。どうしてこんなことになっているのでしょうか?

負債の内訳推移をみてみましょう。

やはり、長期負債などの固定負債はほとんどなく、流動負債が大きく増減していることがわかります。

この原因を探ると、2012年まではFX事業で大きな「外国為替取引顧客預り証拠金」が発生しており、最大636億円にまで達していました。

FX事業を手放してからはその多くが買掛金となっています。

次に、資産の主な推移を見てみます。

一番大きいのは現預金で、資産1565億円のうちの517億円と、3分の1を占めています。


キャッシュフローと企業価値算定

最後に、サイバーエージェントが過去に生み出したFCF(フリー・キャッシュフロー)をチェックします。

FCFは実はそれほど潤沢だったわけではないようで、100億円のFCFを生み出したのはここ2年間のみとなっています。


サイバーエージェントは、今後も毎年100億円以上のFCFをキープできるのでしょうか。

まずは現在投資フェーズにあるAbemaTVが今後どうなっていくか、というのが大きな勝負の分かれ目になると思います。