2017年に上場した国内企業の事業内容を総復習するシリーズです。
3月に上場した企業は多く、24社もあります。かなりの長編になってしまいました。
会社名 | 時価総額 |
スシローグローバルホールディングス | 967.93億 |
マクロミル | 952.73億 |
ティーケーピー | 692.94億 |
オークネット | 371.04億 |
桧家ホールディングス | 290.64億 |
ソレイジア・フ ァーマ | 270.91億 |
CKサンエツ | 259.18億 |
ユーザーローカル | 233.37億 |
力の源ホールディングス | 222.51億 |
ジャパンエレベーターサービスホールディングス | 209.21億 |
グリーンズ | 160.53億 |
ファイズ | 142.52億 |
インターネットインフィニティー | 134.47億 |
エスライン | 122.15億 |
オロ | 120.60億 |
ほぼ日 | 117.64億 |
ロコンド | 117.20億 |
うるる | 113.60億 |
ビーグリー | 102.43億 |
ネットマーケティング | 88.40億 |
フルテック | 58.56億 |
ピーバンドットコム | 36.68億 |
ズーム | 35.88億 |
No.1 | 31.16億 |
それでは、早速1社ずつ見ていきます。
スシローグローバルは1984年に始まった大阪阿倍野にあった「鯛すし」の職人が、うまい寿司を手軽に、という思いで回転寿司「スシロー」を始めたことに端を発しています。
直近2Qの決算資料をみてみます。
上半期の業績です。
売上収益は769億円、営業利益は44億円という規模です。営業利益率は5.8%となっています。
スシローはアプリを活用したCRM(顧客関係管理)を行なっています。アプリのダウンロード数は650万ということです。
マクロミルは、2000年に設立されたデジタル・リサーチ会社。
インターネットリサーチのほか、データベース事業、セルフ型リサーチASP事業などを展開。
2013年にはMBOされて一度非上場化し、それからまた上場したようです。
米ベイン系、マクロミルを513億円で買収 筆頭のヤフーも賛同
2017年6月期の通期決算資料をみてみます。
売上はかなりの勢いで成長し、355億円となっています。
地域別売上で海外が28%と、グローバル展開を志向しています。
売上362億円に対して営業利益69億円で、営業利益率は19%ということになります。
ティーケーピーは2005年に設立された、会議室を運営する会社です。
1814室の会議室を有し、94900社が利用しているとのこと。
直近1Qの決算資料をみてみます。
売上は72億円、営業利益が14億円という水準です。営業利益率は19.5%と比較的高い水準です。
売上比率では室料が41億円と半分強を占めていますが、料飲収益も14億円と大きく成長しています。
オークネットは1985年に中古車テレビオークションをスタートした会社。
現在はITオークション、検査・評価ビジネス、業界ネットワークなど、かなりユニークな事業を展開しています。
直近2Qの決算資料を見ると、こんな感じでリアルタイムオークションを提供しているようです。
中古車から始まり、バイク、切り花、デジタル機器、ブラ ンド品、医療機器など、あらゆる中古品の二次流通を事業領域としています。
取扱高は年間3452億円で、うち自動車が2997億円とかなりの部分を占めていますね。
2Q時点での業績です。
売り上げ100億円、営業利益18億円と、利益率も悪くありません。
桧家ホールディングスは木造注文住 宅などを扱う会社。
戸建分譲、土地分譲などの不動産事業の展開しています。
2017年Q2の決算資料をみてみましょう。
Q2時点での売上は433億円、営業利益は13億円となっています。
セグメント業績をみると、注文住宅が217億円と半分近い収益をあげています。不動産も100億円と大きい。
ソレイジア・ファーマはがん領域のまだ満たされていない医療ニーズを満たすべく、革新的な医薬品の開発を目指す会社です。
2017年12月Q2の決算資料をみてみます。
半期売上は500万円、営業損失が5億円ほどとなっています。研究開発型の新規上場企業だとよくある感じですね。
CKサンエツはシーケー金属(株)とサンエツ金属(株)を傘下に抱える金属加工会社です。
今1Qの業績をみると、売上199億円、営業利益12億円という規模。年間 売上が800億円規模と考えると、なかなか大きいですね。
ユーザーローカルはビッグデータ分析システム、ソーシャルメディア解析ツールなどを開発・提供する会社。
2017年6月期の決算資料をみてみます。
ウェブ分析ツール「User Insight」、ソーシャルメディア解析「Social Insight」、メディア解析ツール「Media Insight」の3つがコアサービスです。
売上は9.6億円、経常利益3.8億円となっています。経常利益率は39%とかなり高いですね。
力の源ホールディングスは、とんこつラーメン「一風堂」などを展開する会社です。
直近Q1の業績をみてみます。
売上57億円、営業利益は1億円となっています。
力の源ホールディングスは積極的なグローバル展開を戦略に入れており、長期的には食材卸や流通にも事業を拡大 したいとのこと。
ジャパンエレベーターサービスはその名の通り、多種多様なメーカーのエレベーターやエスカレーターのメンテナンス・ リニューアルを行なっています。
2017年3月期の業績をみてみます。
売上高は135億円、営業利益は6億円となっています。売上原価が91億円とかなり高いですね。
グリーンズは、1957年に三重県四日市市で創立したホテルグループ会社です。
2017年6月期の決算資料をみてみます。
「チョイスホテルズ」「グリーンズホテルズ」という二つのブランドを展開し、両者にシナジーを持たせています。
年間売上は260億円で、そのうち188億円がチョイスホテルズ事業、70億円がグリーンズホテルズ事業となっています。
営業利益は23億円ほどで、営業利益率は8.8%。
ファイズはECサイト運営事業者を対象として、オペレーション、ロジスティクス、デリバリーなどの「ECソリューションサービス」を提供する会社です。
自社の物流拠点を持たず、顧客の物流拠点内でサービスを提供する、ノンアセット型の経営が特徴。
早い話がEC事業者向けのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)企業ですね。
2017年3月期の売上は52億円、営業利益は3.5億円ほど。今期は売上68億円、営業利益4億円を見込んでいます。
インターネットインフィニティは「健康寿命の延伸」を提唱しており、ヘルスケアソリューション事業として、次の3つのサービスを展開。
・3時間のリハビリ型デイサービス「レコードブック」
・シルバーマーケティング支援などのウェブソリューション事業
・訪問介護など、在宅サ ービス事業
2017年3月期の決算資料をみてみます。
売上は28億円、営業利益1.7億円という規模です。
エスラインは1938年設立の「岐阜トラック運輸(株)」を前身とする運送会社です。
直近の2Q決算資料を見てみます。
売上は220億円、営業利益が6.5億円という規模です。
売上は前期比1%の減少となっています。
オロは1999年創業のマーケティング・ソリューション会社です。
クラウドERPによるビジネスソリューションと、コミュニケーションデザインを二つの柱としています。
2017年Q2 の決算資料をみてみます。
全体の売上は18.6億円、営業利益3.6億円となっています。
そのうちビジネスソリューションとコミュニケーションデザインの売上比率はだいたい同じくらいですね。
利益率はビジネスソリューション事業の方がはるかに良いようです。
ほぼ日は、有名コピーライターの糸井重里さんが個人事務所を株式会社したことから始まった会社です。
1998年からオリジナルコンテンツを更新し続ける「ほ ぼ日刊イトイ新聞」や、オリジナル手帳「ほぼ日手帳」などを展開。
業績をみてみると、Q3時点での累計売上は32億円、営業利益が5億円ほどとなっています。
その中で、ほぼ日手帳が21億円と大きな割合を占めています。手帳を21億円売るってすごすぎ。。
ロコンドはファッション業界に特化したEコマース企業です。
EC事業(B2C)、プラットフォーム事業(B2B)、自主ブランド事業の3つを相互に補完しあうように構築しているのが特徴。
こちらは2018年2月期Q1の決算資料です。
靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」では、交換・返品が無料で行える「自宅で試着、気軽に返品」を特徴としています。
楽天やヤフーショッピングで「LOCOMALL」として出店もしています。
B2Bではブランド・小売店向けにECの受託運営を行うほか、在庫管理の受託も。
また、自主ブランドとしてスペイン発の「MANGO」を展開しています。
業績を見てみると、取扱高は23億円、売上8.9億円、営業利益1億円と、営業黒字化を果たしています。
うるるは、在宅ワーカーを対象としたクラウドソーシングサイト「シュフティ」を運営する会社です。
そのほか、BPO事業や保育園などの「園探し」をサポートする「園ナビ」も運営。
2017年3月期の決算資料を見てみます。
2017年3月期の売上は17億円、営業利益は2.4億円となっています。
てっきり、クラウドソーシング事業がメインだと思ったのですが全く違うんですね。メインはCGS(クラウド・ジェネレーテッド・サイト) 事業でした。
CGS事業として事業化されているのは官公庁などの入札案件情報を検索できる「NJSS」とのことです。だいぶイメージとは違いました。
ビーグリーはコミック配信ビジネスとして「まんが王国」を提供している会社です。
社名は進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが世界航海に使用した船の名前「Beagle」号に由来しているそうです。
2017年Q2の決算資料をみてみます。
「まんが王国」は月間アクティブユーザー数がおよそ800万人、累計で単行本6億冊分がダウンロードされており、漫画だけで5万タイトルを揃えているというサービ ス。
月額課金300円で、毎月ポイントが貯まるというシステムになっています。ポイントを通じて漫画を購入する、という仕組みですね。
2017年Q2時点での累計売上は45億円ほどで、営業利益が6億円となっています。売上の90%以上は「まんが王国」から。
この調子でいくと年間売上は100億円前後、営利も10億円を超えそうですね。それで時価総額100億円は安い気もします。
ネットマーケティングはマッチングサービ ス「Omiai」を運営する会社です。
アフェリエイト広告の代理店事業も展開しています。
2017年6月期の決算資料をみてみます。
「Omiai」の累計会員数は227万人ほどに達しています。
業績を見ると、売上98億円、営業利益4億円です。営業利益率は4.5%とあまり高くありません。
セグメント状況を見ると、「Omiai」のメディア事業は24億円ほどで、売上のほとんど(75億円弱)は広告事業からきていることがわかります。
フルテックは自動ドア装置の販売・施工などを行う北海道の会社で、1963年創業。
駐輪システムや喫煙所システム、セキュリティ装置なども手がけています。
2017年3月期の決算資料をみてみます。
国内シェアは北海道で52%、東北で53%、関東で13%を握っています。東日本が主な活動地域のようですね。
年間売上は104億円、営業利益5.8億円という規模。
ピーバンドットコムはプリント基板の設計や実装、及びネット通販を行なっている会社です。国内シェア1位とのこと。
2017年3月期の決算資料を見てみます。
事業の全体像は、マーケットプレイス「P板.com」を柱とし、開発や人材開発、イベントなどに広げた「GUGENプラットフォーム」として展開しています。
2017年3月期の売上は18億円、営業利益は2億円ほどとなっています。営業利益率は12.6%と、決して低くはないですね。
ズームは「音」と「音楽」に特化した機器メーカーで、ポータブルなハンディレコーダーやエフェクトプロセッサー、電子楽器など、幅広い製品を開発。
1983年に設立ということで歴史の長い企業です。
2017年Q2の決算資料をみてみます。
2Q時点の累計売上は30億円ほどで、そのうちハンディオーディオレコーダーが14億円と多くを占めています。
地域別で見ると、北米が10億円とかなり大きいですね。
売上30億円に対して営業利益は1.3億円ほどと、利益率はあまり高くありません。
No.1は「オフィスコンサルタント事業」「システムサポート事業」を主な事業としています。
2017年2月期の決算資料をみてみます。
売り上げは70億円、営業利益3億円という規模です。
時価総額30億円はちょっと低いきもしますね。