日本で最も使われているSNSはどれ?「情報通信白書」からスマホ利用に関するデータをまとめてみた

久しぶりにマクロデータ系です。

毎年、総務省が出している「情報通信白書」という資料があるのですが、非常に長いので読むのは大変です。

そこで、今回はその中にあったスマートフォン利用に関する統計データをビジュアライズしてみたいと思います。


スマートフォンは2010年以降急激に普及

まずはこれです。

上のグラフは、固定電話やFAX、携帯電話からスマホ、タブレットなど、あらゆる情報通信デバイスの日本における普及割合(世帯)を示しています。

項目が多くて見にくいので、「PC」「スマホ」「携帯電話・PHS」の3つに絞って見ます。

携帯電話の普及は早く、2003年には94.4%に達しています。(2010年以降はスマホも含む)

パソコンの保有率は2009年(87.2%)をピークに下がり始め、2016年末には73%にまで低下しています。

そして、スマートフォンの普及率が71.8%と、パソコンと同じくらい広まっていることが分かります。固定電話もそれと同じくらいです。

それから2年経っていますから、今頃はスマホ利用世帯の方がパソコンよりも多いだろう、ということが想像できます。

個人ベースで見ても、その普及の勢いが分かります。

スマートフォンの個人保有率は、2011年には14.6%しかなかったのが、2016年には56.8%に達しています。

単純計算すると、2011年のスマホユーザーは1800万人くらいだったのが、2016年には7200万人以上へと増加したことになります。

iPhoneの発表(2007年)から考えると、わずか4年で2000万人近く、それから5年で7000万人を超える人数が利用するプラットフォームが生まれた。

このことが、いわゆる「スマホシフト」の正体なのではないでしょうか。


世代ごとのスマートフォン利用率

スマートフォンの利用率を、世代ごとでも見てみましょう。

10代を除いて、若ければ若いほどスマホの利用率も高いことが分かります。

最も保有率が高いのは20代と30代で、どちらも90%を超えています。

10代(13歳以上)と40台も80%前後と、高い水準ですが、逆に60代以上の普及率は40%以下に止まっています。

世界のスマートフォンOS別インストール台数

世界的に見ると、スマートフォンの台数は2017年時点で46億台と予想されています。

その中で圧倒的多数がAndroid。iPhoneはかなり小さいですね。


1日あたりのスマホ利用時間

平日1日あたりのスマートフォンによるインターネットの利用時間です。

10代が最も多く、2時間20分を超えています。20代も2時間を超えています。

30代以上になると利用時間はガクンと下がり、平均で1時間ちょっとという形。

全体での平均は82分です。

消費者向けのスマホアプリは、「一日1時間ちょっと」というこの時間を奪い合っていることになります。

年代ごとのスマホ利用時間の内訳

年代ごとの内訳も比較してみます。

10代と20代では「SNS」が最も大きく、30%から40%ほどの時間を使っています。

世代が上がるごとに「メール」の割合が高くなり、60代では半分を超えています。

「YouTube」などの動画共有サイトの比率も小さくありませんが、どの世代でもそれ以上にゲームの方が大きくなっています。


主なソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用率

続いて、主要なSNSの利用率がどのように違うかをチェックしてみましょう。

YouTubeとLINEの利用率が67%以上と、圧倒的な割合を占めています。

YouTubeをSNSに入れるかは微妙ですが、この記事のタイトル「日本で最も使われているSNSは何か?」に対する答えは「YouTube」ということになります。

続いて、Facebookは32.3%、Twitterは27.5%、Instagramは20.5%が利用しているとのこと。

繰り返しになりますが、これは2016年のデータなので、現在はInstagramの利用率が大幅に上昇していることが想像できます。

年代ごとでも見てみましょう。

LINE

LINEの利用率は、全体では67%に達しています。

その中でも、20代から30代まででは90%を超えており、10代でも79%に達しています。

YouTube

続いてYouTube。LINEと同じ、いやそれ以上に使われていることが分かります。全体では68.7%と、LINE(67%)を超えています。

10代で84%、20代では92%、30代でも88%がYouTubeを利用。

Twitter

続いて、Twitterです。

全体での利用率は27.5%と、LINEやYouTubeと比べると半分以下の水準です。

しかし、10代の61%、20代でも60%がTwitterを利用しており、若い世代によく使われていることがわかります。

Facebook

Facebookは、全体では32%が利用しており、Twitterよりも多いことが分かります。

世代ごとに見ると、20代が最も多く55%。続いて30代が52%となっています。

「おじさんばかりが使っている」と言われることの多いFacebookですが、20代30代の人たちは、まさかそれが自分のことだとは思っていないかもしれません。

Instagram

Instagramです。

ちょっと前までは「おじさんおばさんがいないから、Instagramは居心地がいい」と言われていましたが、実際にその通り、20代の45%が利用する一方、30代では30%、それ以上の世代では20%も使っていないという状況でした。

2016年と比べると、今の方がいくらか普及しているはずですが。


20代女性

このデータでは、性別ごとのデータもあり、全ての中で最もSNS利用率が高いのが20代女性です。 

Instagramの利用率は2016年時点でも56.6%と、半分以上に達しています。

その他、Twitterも67%と、かなり高い水準です。


まとめ

2007年以降、スマートフォンが急速に普及したというのは、多くの人が知るところではあります。

しかし、実際に「パソコンや固定電話と同じくらいの割合で普及している」と言われると、何か真に迫るものを感じます。

同じように、「スマホによる1日のネット利用時間は平均で1時間ちょっと」だとか、「若年層におけるYouTubeの利用率は90%を超えている」などの具体的なデータを見せられると、それまで曖昧に感じていたイメージがリアルなものとして感じられる気がします。


総務省の「情報通信白書」には、これ以外にも色んなデータが載っているようなので、また時間を見つけてまとめてみたいと思います。