LINEの収益内訳と主要KPIの推移

LINE

今日はLINEについて調べるために、2016年12月期の有価証券報告書を見てみる。

LINEの事業セグメントは「LINEビジネス・ポータル事業」の単一セグメントとして報告されている。連結会社の従業員数は3661名とのこと。 

LINEが展開する事業・サービスは、「コミュニケーション及びコンテンツ」「広告サービス」の大きく二つで、それぞれさらに次のように分類される。

コミュニケーション及びコンテンツ

コミュニケーション

トーク、スタンプ、タイムライン、着せかえ、無料通話及びLINE Out(VoIP電話)

コンテンツ

LINE GAME、LINE プレイ、LINE NEWS及びLINE TODAY、LINE LIVE及びLINE TV、

LINE マンガ、LINE MUSIC

その他B612、LINE Camera、LINE 占い、LINE Blog、LINE 天気など

その他

LINE FRIENDS、LINE バイト、LINE Pay、LINE ポイント、LINE モバイル

広告サービス

メッセンジャー型広告

LINE 公式アカウント、LINE スポンサードスタンプ、LINE ポイント広告(旧LINE フリーコイン)、LINE@、LINE ビジネスコネクト

パフォーマンス型広告

タイムライン広告、LINE NEWS広告

ポータル広告

livedoor、NAVERまとめ


各サービスの販売実績

各サービスの販売実績を見ると、一般ユーザーを対象とする「コミュニケーション及びコンテンツ」からの売上がおよそ860億円、主に法人を対象とする「広告」からの収益が547億円となっており、法人向けよりも一般ユーザーから得ている収益の方が大きいことがわかる。

割合で見ると、スタンプ販売などで収益を得る「コミュニケーション」が20%、ゲームやアバター、ライブストリーミングなどを含む「コンテンツ」が31%を占めている。LINEの広告も31%ほどで、NAVERまとめとライブドアから得る広告収益が7%。


その他の主要KPIの推移

まずはMAUを地域別で見てみる。全体のMAUはあまり増えておらず、日本及び台湾、タイ、インドネシアでは増加。

四半期推移だと増加が小さく見えてしまうが、日本はYoYで13%、台湾、タイ、インドネシアはYoYで16%の成長。

次に、1日あたりの平均メッセージ・スタンプの数。

送信数はメッセージ・スタンプ共にそれほど変わらないが、受信数は有意に伸びてる。ニュースや法人系アカウントの伸びのおかげかな。


LINEがこれからさらに業績を伸ばすためにはユーザー数の増加とさらなるマネタイズの推進が肝になるわけだが、ユーザー数をここから爆発的に増やすのは難しそうに思える(2倍くらいなら最大でありうるのかな...)ので、今後は法人向けの広告課金やユーザー向けのコンテンツ(スタンプやゲームなど)に力を入れていくのかなあと思った。

しかし、すでに多くの人が毎日利用する巨大メディアの一つとなったことは間違いないし、この優位性がそう簡単に揺らぐとは思えない。もしかすると、今後10年で驚くような成長がみられるのかもしれない。