寺田屋事件で坂本龍馬を救ったピストルを作っている米企業、Smith & Wesson社の業績。
Smith & Wesson Holding Corporation

寺田屋事件は1866年に京都の寺田屋で坂本龍馬が襲撃された事件です、その時坂本龍馬は高杉晋作から贈呈されたと言われるピストルを発射し威嚇して命からがら逃れました。その時龍馬の命を救ったピストルはアメリカのスミス&ウェッソン社製のピストルでした。

スミス&ウェッソン社は1852年にアメリカコネチカット州にホーレスミスさんとダニエルウェッソンさんによって作られたライフル銃の会社です。1860年代にアメリカで起きたCivil War(南北戦争)の時には大きな需要があり、同社の製造キャパを大きく上回るほどだったとされています。

現在はマサチューセッツ州に本社を構えており、米国NASDAQ(SWHC)に上場しています。同業他社にはSturm, Ruger & Company, Incなど、その他にもアウトドア用のライフル銃などを販売している会社など多数ある市場です。


S&W社業績

同社の業績を見てみます。売上は2016年4月決算で$723M(約750億円)の規模です。2012年の$412Mから76%増加しています。年平均成長率も11.9%となかなかの好業績を保っています。

                                                          出所:10-K

同社のEBITDAマージンも15%〜20%以上をキープしており、2016年決算ではEBITDAマージンは27%とここ数年では最高でした。

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同社の営業キャッシュフロー(Operating Cashflow)も純利益をしっかりと上回っており、2016年の決算で営業キャッシュフローは$169Mとなっています。

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次に営業キャッシュフローマージンですが、同社の場合は2012年から毎年改善しており、現在では23.7%あります。米企業の平均の営業キャッシュフローマージンが11%である事を考えるとなかなかいい数字です。

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どこから売上を立てているか見てみると、売上の90.4%は国内の公認ライセンスをもたディーラー(GunShop)への販売です。ディーラーは米国各地にあり、ディラー(店舗)では射撃場なども併設されており、射撃の練習なども行えるようになっています。一方州政府や連邦政府への出荷は意外にも少なく6.5%となっています。各州での規制はまちまちで、ニューヨーク州での規制は最も厳しく、特にマンハッタンがあるニューヨーク市では銃の携帯が禁じられています。見つかると連行または逮捕の対象となります。


また今後、スミス&ウェッソン社はアウトドア用のニーズに伴いブランドを変更するとしており、2017年1月1日より社名をAmerican Outdoor Brands Corporationとして変更し、firearms(銃) 事業は引き続きAmerican Outdoor傘下の子会社としてスミス&ウェッソンとして継続されます。