家電量販店というと苦しいイメージがありがちです。
業界首位のヤマダ電機の業績も芳しくなく、生き残りをかけた同業同士による合併が相次いでいます。(ビックカメラがコジマを買収したり、ヤマダ電機がベスト電器を買収したり)
その中でも独自の成長を続けるのがノジマです。
2014年3月に携帯電話販売代理店のケンウッド・ジオビット、2015年3月に携帯電話販売代理店のITX、2017年2月にはニフティのISPを買収しています。
社長の野島廣司氏の弟に当たる野島隆久氏は、ピーシーデポコーポレーションの創業者であり、兄弟で上場企業の社長となっています。
2004年と比較して売上は4倍以上となり、営業利益も7.5倍になっています。
まず、売上の推移を見てみます。
右肩で上昇していますが、中でも大きな影響を与えているのが、2015年3月に買収したITXです。
買収当時は、ノジマの時価総額が200億円程度なのに対して、ITXの買収額が負債含めて850億円(株式取得額は513億円)と、正に小が大を食う買収でした。
また2017年2月には、富士通子会社のニフティのISPを買収することを発表しています。
ここでノジマの売上構成を見て見ます。
2012年までは単一セグメントだったので、スルーしてこの4年間を見て見ます。
すると、デジタル家電専門店が一度停滞するも2016年には再度成長しています。
売上総利益率と営業利益率の推移を見ると、基本的に上昇傾向にあります。
2016年は売上が落ちているにもかかわらず、伸びています。
次に、EBITDAを見て見ます。
EBITDAも乱高下があるものの、全体としては成長しています。
在庫回転率を見て見ます。
2004年には6.94倍でしたが、11.42倍まで改善しています。
株主資本と有利子負債を見ると、2014年にITXを買収したことで、大きく有利子負債が増えていますが、ITXを買収することで利益が増加し、株主資本を着実に増やしています。
その結果、D/Eレシオで見ると、一時は2.86倍もありましたが現在は1.58倍程度になっています。
いかがでしたでしょうか。
逆風が続く家電量販店の中でも成長を続けるノジマ。
買収によるところが大きく、これからというところがありますが、時価総額も順調に伸びており、今後ともノジマが楽しみです。