今回は、これまでとは少し思考が変わって、企業についてではなく、マクロ的なデータと超ミクロデータを比較してみます。
超ミクロデータとは、「アプリ1インストールさせるためにかかったコスト」と「Facebookで1いいねもらうためにかかったコスト」のことを指し、これらのコストを「GDP」「月収」「ビッグマック指数」を使って、国ごとに比較してみます。
まず、超ミクロデータについてです。
(AdEspresso 2015年より)
(AdEspresso 2016年Q3より)
次に、今回比較に使うマクロデータが以下の3つです。
では、比較していきます。
まず、1DL対1人あたりGDP、月収、ビッグマック指数で比較します。
1DLに対するビッグマックの価値の関係を見てみます。
すると、台湾が1DLのコストとビッグマックの価格が近くなっているので割高である一方で、ブラジルが1DLのコストとビッグマックの価格が乖離しており、ブラジルで1DLさせた方がお得のようにも見えます。
次に、1DLあたりのコストと1人あたりのGDPの関係を見てみます。
すると、ベトナムが一番割高である一方で、イギリスが一番お買い得となっています。
次に、1DLあたりのコストと1人あたりの平均月収の関係を見てみます。
これまでの2つの指数と比較したのと異なり、かなり接戦となっています。
すると、スペインが一番割高である一方で、イギリスが一番お買い得となっています。
1DL/平均月収 | 1DL/GDP | 1DL/ビッグマック | |
スペイン | 1位 | 5位 | 7位 |
ベトナム | 2位 | 1位 | 10位 |
台湾 | 3位 | 2位 | 1位 |
日本 | 4位 | 4位 | 2位 |
韓国 | 5位 | 3位 | 3位 |
ブラジル | 6位 | 6位 | 11位 |
アメリカ | 7位 | 7位 | 4位 |
カナダ | 8位 | 9位 | 6位 |
ドイツ | 9位 | 8位 | 5位 |
フランス | 10位 | 10位 | 8位 |
イギリス | 11位 | 11位 | 9位 |
次に、1いいね対1人あたりGDP、月収、ビッグマック指数を見て見ます。
1いいねに対するビッグマックの価値の関係を見てみます。
すると、オーストラリアが1DLのコストとビッグマックの価格が近くなっているので割高である一方で、タイが1DLのコストとビッグマックの価格が乖離しており、タイで1DLさせた方がお得のようにも見えます。
次に、1いいねあたりのコストと1人あたりのGDPの関係を見てみます。
すると、コロンビアが一番割高である一方で、アメリカが一番お買い得となっています。
次に、1いいねあたりのコストと1人あたりの平均月収の関係を見てみます。
すると、コロンビアが一番割高である一方で、アメリカが一番お買い得となっています。
ここで、1いいねのコストが高い順に並べてみます。
1いいね/平均月収 | 1いいね/GDP | 1いいね/ビッグマック | |
コロンビア | 1位 | 1位 | 5位 |
カナダ | 2位 | 2位 | 2位 |
イギリス | 3位 | 5位 | 3位 |
オーストラリア | 4位 | 3位 | 1位 |
スペイン | 5位 | 6位 | 6位 |
タイ | 6位 | 4位 | 11位 |
ドイツ | 7位 | 7位 | 4位 |
フランス | 8位 | 9位 | 7位 |
メキシコ | 9位 | 8位 | 10位 |
イタリア | 10位 | 10位 | 9位 |
アメリカ | 11位 | 11位 | 8位 |
いかがでしたでしょうか。
国ごとによって1いいね・1DLの重みが異なることはわかってはいたものの、より定量化できたのではないでしょうか。
このデータをもとに、展開する国を決めるというのも、一つの方法としてありなのかなと思いました。