動画コンテンツを提供するChicken Soup for the SoulがIPO

IPO

Chicken Soup for the Soul Entertainment社がナスダックに上場しました。同社は米国コネチカット州に本社を置く、出版事業、ビデオコンテンツ事業、エンタメ事業など行う企業です。

社名からからするとチキンスープを販売する食品・小売企業のように思えますが、社名の由来は同社の書籍シリーズChicken Soup for the Soul から来ています。

今回はChicken Soup for the Soul Entertainment社の事業内容とそのIPOについて見ていきたいと思います。

(画像: 同社ホームページ)

Chicken Soup for the Soul Entertainment社の創業はJack Canfield と Mark Victor Hansenとう2人のライターが実話に基いて書いた自己啓発関連やヒューマンスピリットの書籍の発売が発端となっています。


1993年に書籍「Chicken Soup for the Soul」が大ヒットしました。これがニューヨーク・タイムズが選ぶベストセラーにも何度も選ばれる作品となり、現在のChicken Soup for the Soul Entertainment社へとつながっていきます。

■事業内容と戦略

現在同社のミッションは良質なヒューマン・スピリッツに関する動画コンテンツを届ける事です。

同社は最近動画コンテンツ業界の参入障壁が急速に下がってきており、コンテンツ制作や流通の構造も激変してるとしています。

この状況のなかで従来のテレビやケーブルテレビの視聴者の行動も変化しており、今後ユーザーの注目を集めるのはブランド力が強いメディアであると認識しているようです。 

ディズニーが「ファミリー」コンテンツ、ディスカバリーチャンルが「自然」コンテンツというように、Chicken Soup for the Soulもブランドを築き上げる事が重要としています。


同社は過去23年間で書籍「Chicken Soup for the Soul」のシリーズを5億冊以上販売しそのブランドを築き上げてきました。 主に女性をターゲットとしており、同社のFacebook、Twitter、Instagramのフォロアーの90%は女性となっています。


また書籍で築き上げたブランドと作品を動画コンテンツとして流通させています。


2015年に「Chicken Soup for the Soul’s Hidden Heroes」の番組シリーズをCBSやDiscoveryなどのテレビチャンネルで放送を開始しています。


また2016年にはA Plusという動画コンテンツ流通サイトを買収しました。A Plusは米国セレブなどインフルエンサーを多数抱えており、月間1億PV、UUも5000万PVと巨大なサイトになっています。

A PlusでChicken Soup for the Souの動画コンテンツを提供するし、オンラインでのプレゼンすを高めて行く事を目的としているようです。


このように過去に書籍で積み上げてきたブランドを動画コンテンツへ変換しテレビで配給し、影響力のあるオンライン媒体を買収する事で流通を抑えています。

(画像: A Plus)

■IPOに関して

今回のIPOは売出し価格12ドル、売出し株数250万株で約30億円を調達しました。

市場関係者にはミニIPOと呼ばれており、今回は「 Regulation A offering」というIPOの方法によるものでした。

 Regulation A offeringとは2012年にオバマ大統領がJumpstart Our Business Startups (JOBS) Actという法案に署名し開始された制度で、スタートアップが市場から資金を調達しやすくするためものです。

この方法では通常のIPOのよりも上場審査や監査の手続きの要件が低く、上場費用を安く抑えられるメリットがあります。 

またこの方法にははティア1とティア2の2種類があり資金調達できる金額や諸条件などが違いとなっています。

・Tier1: 2000万ドル(約20億円)までの調達が可能

・Tier2: 5000万ドル(約50億円)までの調達が可能

今回調達した資金で更に動画のコンテツを充実させる事と、すでに動画コンテンツを持っている企業を買収していくと計画を立てています。

■業績 

次に業績を見たいと思います。

(出所: FORM 8-K)


売上は2015年の150万ドル(1.5億円)から2016年の810万ドル(約8.1億円)へ成長しています。また純利益は2015年の75万ドルの赤字から2016年には78万ドルの黒字へと改善を見せています。

2017年売上予想は2000万ドル(約20億円)、EBITDAは1000万ドル(約10億円)と見込んでおり、2018年の目標は売上3600万ドル、EBITDA1800万ドルとなっています。

(出所:FORM 8-K)

同社の売上は主にテレビ事業とオンライン事業から成り立っています。現在売上の90%はテレビ事業で、オンライン事業は10%程度です。

テレビ事業では「Hidden Heroes」というテレビシリーズをネットワークのCBSで配給しています。一方オンライン事業では同社がもつコンテンツをA Plusなどのオンライン媒体で放送しています。

今後は買収したA Plusのオンライン事業をどこまで伸ばす事ができるか注目して行きたいと思います。

■まとめ

・過去に積み上げてきた書籍のブランドを動画コンテンツとして配信している

・流通チャネルを広げるために、影響力のあるオンライン媒体を買収し動画コンテンツを流している

・今回のIPOによる調達では動画コンテンツを充実させるために、アライアンやコンテンツの買収に当てるとしている