早いもので、2017年も9月に突入してしまいました。一年が残り3分の1しか残されていないと思うと時間の早さを感じます。
1年を振り返るにはまだ早すぎますが、米国の新規上場企業について月ごとにまとめる、という取り組みを始めたいと思います。
今日は1月までの米国IPO企業について。
1月にどの会社が上場してきたかというのはナスダックのページから簡単にチェックすることができます。
まずはこれをリストアップするとともに、概要をまとめてみます。
Company Name | 現在の 時価総額 |
Market | Offer Amount | Date Priced | ジャンル |
GORES HOLDINGS II, INC. | - | NASDAQ Capital | $375,000,000 | 1/13/2017 | ファンド |
KEANE GROUP, INC. | 1.60B |
NYSE | $508,440,000 | 1/20/2017 | 建設 |
FINTECH ACQUISITION CORP. II | - | NASDAQ Capital | $153,000,000 | 1/20/2017 | ファンド |
ANAPTYSBIO INC | 445.32M |
NASDAQ Global Select | $75,000,000 | 1/26/2017 | 医療 |
OBSEVA SA | 236.46M |
NASDAQ Global Select | $96,750,000 | 1/26/2017 | 医療 |
REV GROUP, INC. | 1.70B |
NYSE | $275,000,000 | 1/27/2017 | 自動車 |
JOUNCE THERAPEUTICS, INC. | 401.49M |
NASDAQ Global Select | $101,840,000 | 1/27/2017 | 医療 |
JELD-WEN HOLDING, INC. | 3.43B |
NYSE | $575,000,000 | 1/27/2017 | 建設 |
JAGGED PEAK ENERGY INC. | 2.76B |
NYSE | $473,990,010 | 1/27/2017 | エネルギー |
WORLD CURRENCY GOLD TRUST | - | NYSE Arca | $596,600,000 | 1/30/2017 | 投資信託 |
10社中、3社はファンドや投資信託で、3社が医療研究系の会社となっています。
残り4社も純粋な事業会社かというとそうでもなく、買収で大きくなってきた会社が多くあります。
それでは1社ずつ見ていきましょう。
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2017年最初のIPOはゴアズ・グループの「白紙小切手会社」である「ゴアズ・ホールディングス2」でした。
創業者のアレック・ゴアズ氏が1978年にコンピュータ会社「Executive Business Systems」を設立。ハードウェアやソフトウェアの卸売を行なっていました。
アレック・ゴアズ氏はその会社を売却し、1987年より投資ファンドを開始。それが現在のゴアズ・グループとなったようです。
今回IPOした「GORES HOLDINGS II」の従業員数は3名とのこと。時価総額は不明。。
キーン・グループはテキサス州ヒューストンに本社をおく企業。
水圧破砕やセメントその他のエンジニアリング・サービスを提供しています。
2011年にプライベート・エクイティの投資ポートフォリオになり、6年かけてニューヨーク証券取引所に上場。
従業員数は1251名。
こちらも白紙小切手会社で、会社ホームページすらありません。
白紙小切手会社は他の会社を買収することを前提として上場するそうです。
従業員数は2名として報告されています。こちらも時価総額不明ですね。
アナプティスバイオは臨床ステージの抗体開発会社。
従業員数は49名です。
業績を見ると、売上高1668万ドル、営業損失302万ドルという水準。
業績が伸びているわけではなさそうですが、これでも上場できるんですね。
オブセヴァは2012年11月にスイスで設立された会社で、臨床ステージのバイオ医薬品企業です。
従業員数は27名。
業績推移を見ると、売上高は2万ドル、営業損失1983万ドル。
研究開発型のバイオ医薬系企業の場合、業績が顕在化してなくても上場できるみたいですね。
REVグループは29のスペシャルティ自動車ブランドの親会社。
グループ傘下のブランドの25万車以上が利用されているとのこと。
毎年、新車を2万台ほど生産しているそうです。はしご車だったりバリアフリーの特別な車を提供しているようです。
従業員数は6000名と、今回の10社の中ではかなり多いですね。
業績推移を見ると、売上高19億ドル、営業利益7240万ドルという規模です。
ジョウンス・セラピティクスはガンの免疫療法を研究する会社。
従業員数は85名。
業績推移を見ると、売上3720万ドル、営業損失1447万ドルという水準です。
ジェルド・ウェン・ホールディングはドアと窓の製造会社です。 今回の10社の中では唯一、純粋な事業会社と言っていいかもしれません。
従業員数も20800名と、今回の10社の中では最も多くなっています。
時価総額34億ドルというのも10社の中では一番大きいですね。業績推移がこちら。
売上高は36億ドル、営業利益は2億ドルほど。2014年と比べると、利益率が大きく改善しています。
ジャグドピーク・エナジーは石油と天然ガスを扱う独立系のエネルギー会社です。
従業員数は30名。
業績推移を見ると、売上高7652万ドル、営業利益801万ドルという水準。この中では一番、IPO企業っぽい業績推移になっている気がします。
ワールド・カレンシー・ゴールド・トラストは2014年に組成された法廷信託。
「Bringing the gold market to investors」と書いてあるように、金を投資家に提供することをミッションとしているようです。従業員はなし。