YouTuberを中心にしたクリエイター支援事業を展開する「UUUM」が2020年5月期通期決算を発表しました。
まずは通期での業績を見ると、売上高は224億5,900万円(前年比13.9%増)、営業利益は9億9,300万円(同20.3%減)。増収減益でした。
UUUMは4月15日に業績の大幅な下方修正(修正前の予想は売上260億円、営業利益14億円)を発表。修正後の予想(売上:220億円、営業利益9.5億円)は多少上回ったという結果です。
四半期ごとの推移を見てみると、売上高が頭打ちになってしまった現状が見て取れます。4Qについては、前年同期比でも減収になっている状況。営業損益も赤字に転落しました。
UUUMは、これまでも有力なクリエイターが相次いで脱退するなど、ネガティブニュースが少なくありませんでした。そこに追い打ちをかけるようにして始まったのがコロナ危機。
今後の業績はどのようにして立て直していくつもりなのでしょうか。決算報告の内容について、チェックしていきましょう。
まずは、UUUMの売上構成について確認します。
収益の柱であるGoogle(YouTube)からのアドセンス収入は34億9,300万円(前年比0.26%増)。なんとか前年比プラスの水準を保っています。
一方で、企業とのタイアップ広告売上は13億2,900万円(前年比9.8%減)。グッズ販売やイベントなどで収益を立てる「クリエイターサポートその他」は3億6,000万円(同55%減)と落ち込みました。
自社サービス(ゲームなど)による売上は5億1,000万円(前年比6.5%増)と、いくらか拡大。
重要な事業KPIである「動画再生回数」は144億回を超え、前年同期比で128%もの水準に増加しました。チャンネル数はこれまで通り増え続け、10,733チャンネルを数えています。
チャンネル登録者数上位のクリエイターはトップ10入りが4人、トップ100入りが24人と、それぞれ減少しています。
依然として、YouTube内でのトップクリエイターは減っているものの、自粛期間においてYouTube全体の視聴が増加する中で、UUUMも一定の恩恵を受けたといえそうです。
しかし、コロナ影響はUUUMにとって追い風とは言えません。