おはようございます。 気温も暑いですが、決算シーズンもホットな週を迎えます。
現地時間で火曜日にはMicrosoftにAlphabet、VisaにSpotify。水曜日はMeta Platforms、Coca Cola、木曜日はMcDonald'sやMastercardなど。ストレイナーで注目どころを拾っていきます。
開示資料より作成
電気自動車メーカーのテスラが7月19日、2023年4〜6月期決算を発表。
売上高は前年比47%増の249億ドルに拡大。一方で営業利益は24億ドルにとどまり、2四半期連続での減少となった。為替変動による営業外収益の拡大により純利益は26億ドルで、前年比で15%増益だった。
イーロン・マスクCEOは「生産・販売台数、売上高が過去最高を記録した」「Model Yが世界の全車種で最も売れた」と強調。より低単価な競合他社を上回ったのは驚くべきことだと主張した。
高い金利水準に加え、依然として不透明な経済環境が続いていることにも言及。今年の販売目標は引き続き「180万台(前年比37%増)」においている。
Netflixが7月19日、2023年4〜6月期決算を発表。売上高は前年比3%増の81.9億ドルにとどまったが、営業利益は18.3億ドルで16%増。7〜9月には成長が加速する予想も開示したが、翌日の株価は8%を超える急落となった。
すっかり成長が鈍化したNetflixは、再成長を実現するための打ち手の一つとして「ペイドシェアリング」の展開を掲げていた。全体で一億世帯以上がアカウントを共有しているともされる中、本格的な「取り締まり」を始めたのだ。
5月には100を超える国々でのペイドシェアリングを開始し、進捗は良好であるという。各地での売上高は開始前と比べて増加しており、会員登録数はすでにキャンセル数を上回る。他のほぼ全ての地域でもペイドシェアリングを開始することを表明した。
ペイドシェアリング効果が顕在化するに従い、2023年の後半には売上成長が加速する見通しであることも宣言。それに加えて、広告付きプランの進捗も堅調であるという。通期の営業利益率は18〜20%を見込む。
2023年7月も下旬へと差し掛かろうとしている。日本では猛暑が続くが、米国では4〜6月期決算シーズンが始まった。
毎度の決算シーズン、主な企業決算の幕を開けるのは金融機関だ。先週金曜日にはJPモルガンチェース、ウェルズファーゴ、シティグループといった巨大銀行の決算が発表。
JPモルガンチェースとウェルズファーゴは前年比で大幅な利益増を計上。結果だけを見れば、とても数カ月前に「銀行危機」とも言われる状況があったとは思えない。しかし中身を見ると市況の変化による影響が確かに表れている。
特に大変なのが中小の銀行だ。同じく金曜日に発表された決算で、ステートストリート銀行の非金利性預金は三か月で20%以上も減少した。同行は米国で12番目に大きな銀行である。
7月18日(現地時間)にも多くの金融機関が2023年4〜6月期決算を発表。バンク・オブ・アメリカが増益となった一方、モルガン・スタンレーは減益となるなど、業績の明暗は分かれた。
それでも結果は市場予想を上回り、これら銀行の株価は軒並み高となった。同じく決算を発表した金融サービス会社チャールズ・シュワブは一日で12%を超える急騰である。
とりわけ堅調だったのが米国で第二に大きな銀行、バンク・オブ・アメリカだ。ブライアン・モイニハン会長CEOは「米国経済の成長は緩やかだが健全だ」と表明。雇用の底堅さにも触れた。
ただしグラフに示したように、同社全体の利鞘(Net interest income/yield on earning assets)は2022年10〜12月にピークをつけた。金利費用の増大、それから非金利性預金の減少による影響が拡大するにつれ、足元の利鞘は縮小した。
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