現代社会において、安全・安心への希求はますます高まりを見せています。巧妙化・多様化する犯罪や頻発する自然災害、そしてサイバー空間における新たな脅威など、私たちを取り巻くリスクは日々変化し、その対策は個人から企業、社会全体に至るまで喫緊の課題と言えるでしょう。 このような背景のもと、警備・防犯関連市場は、従来のフィジカルセキュリティの枠を超え、AI、IoT、DXといった先端技術を積極的に取り込み、新たなステージへと進化を遂げようとしています。 本記事では、警備・防犯関連企業に焦点を当て、各社の取り組みと今後の展望を分析します。セキュリティニーズの高度化と技術革新が交差するこの分野で、各社がどのような対策を講じ、未来の安全・安心をどのように描いているのか、その現在地を探ります。 総合力と技術革新で”社会システム産業”を構築「セコム」
今回取り上げる「あいホールディングス」は、マンション向けセキュリティシステム機器(高画質監視カメラ、IPカメラ管理システム、ネットワークレコーダー)などを手がける企業です。2007年にセキュリティ機器のドッドウエル・ビー・エム・エス社と精密機器のグラフテック社を統合して設立され、東京証券取引所に上場しました。 主力のセキュリティ機器分野では、マンション向け監視カメラシステムの提供を通じて堅実に顧客基盤を拡大してきました。とりわけ分譲マンションの管理会社との強固な関係性を背景に、既設マンションへの後付け導入を伸ばした結果、国内マンション棟数の約30%に当たる物件で同社システムが採用されています。 マンション管理組合向けに導入から保守まで一貫提供する「安心パック」商品も好評で、こうしたサービス志向が既存顧客の囲い込みにつながっています。一方で、賃貸マンションやアパート等を含めた全体では市場シェアは10%未満に留まっています。今回は、そんな同社の戦略について紹介します。