吉野家ホールディングス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1456億9500万 円
銘柄コード 9861(市場第一部(内国株))

株式会社吉野家ホールディングスは、東京都中央区に本社を置く企業。1899年に東京都中央区日本橋にあった魚市場に個人商店として吉野家を創業。1958年に牛丼屋の企業化を目指し株式会社吉野家を設立。1973年に米国に牛肉の買い付けを目的としたUSA吉野家を設立。1980年に会社更生手続きを行い、1983年にセゾングループが資本参加、1987年に更生債権100億円を完全返済。1988年に台湾に進出。1991年に香港に出展、1992年に北京に出展。2000年に東証一部に上場。2012年に吉野家海外店舗が500店になる。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

株式会社吉野家ホールディングスは、東京都中央区に本社を置く企業。1899年、松田栄吉氏が東京都中央区日本橋にあった魚市場に個人商店として吉野家を創業。1958年に牛丼屋の企業化を目指し株式会社吉野家を設立。1973年に米国に牛肉の買い付けを目的としたUSA吉野家を設立。1980年に会社更生手続きを行い、1983年にセゾングループが資本参加、1987年に更生債権100億円を完全返済。1988年に台湾に進出。1991年に香港に出展、1992年に北京に出展。2000年に東証一部に上場。2012年に吉野家海外店舗が500店になる。

略史

1958年に(株)吉野家として設立。1968年よりチェーン展開による多店舗化を目指し、新橋に「吉野家」2号店をオープンした。

1980年には事実上の経営破綻となり、会社更生手続を行なったことがある。1990年、日本証券業協会に店頭登録銘柄として登録。2000年には東証一部に上場。

1988年にはダンキンドーナツを展開する(株)ディー・アンド・シーを吸収合併したが、1998年にダンキンドーナツ事業から撤退。 1999年には更生会社の「京樽」の株式を取得。2004年にはうどん店「はなまる」を株式も取得している。

2011年、2012年にそれぞれ「京樽」「はなまる」を完全子会社化。ステーキレストランなどを運営する「アークミール」について、2020年2月に安楽亭に全株式を譲渡した。

事業内容

吉野家ホールディングスは飲食事業を主な事業として、牛丼チェーン「吉野家」とうどん店「はなまる」を展開する。寿司のテイクアウト・回転寿司レストランを営む「京樽」も運営している。

吉野家

吉野家は、時に「国民的」とまで言われる超有名な牛丼チェーン。牛丼といえば「吉野家」、というくらい広く浸透している。

吉野家の店舗数推移

吉野家の店舗数は、国内と海外合わせて2,164店舗(2019年末時点)。国内店舗数は1,210店舗であるが、この10年間ほとんど増えてはいない。

反対に、成長著しいのが海外吉野家である。足元では954店舗に達し、前年比100店舗近い積極出店を続けている。 海外への出店で最も店舗が多いのは「中国」で、北京だけで258店舗を出店している。

その他ではアメリカ(103店舗)、インドネシア(115店舗)が多い。

ビジネスモデル・フランチャイズ契約形態

吉野家フランチャイズ・チェーン加盟契約

「吉野家フランチャイズ・チェーン加盟契約」により、本部の許諾による牛丼チェーン経営のためのフランチャイズ契約関係を形成する。契約期間は、加盟者の店舗開店日より5年間。契約期間満了の際は自動的に契約が終了し、継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する必要がある。

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

契約条件は以下の通り。

加盟金:一律150万円
更新料:一律75万円
預託保証金:一律75万円
ロイヤリティ:毎月総売上の3%相当額
広告宣伝費:毎月総売上の1%相当額
事務管理費:機器一式に付3万8,000円/月、ポスレジ1台に付6,000円/月ほか

まんまるはなまるうどんフランチャイズチェーン加盟契約

「まんまるはなまるうどんフランチャイズチェーン加盟契約書」により、本部の承諾による、まんまるはなまるうどん経営のためのフランチャイズ契約関係を形成する。契約期間は、加盟契約締結の日より5年間。契約更新については、契約期間満了の3ヶ月前に双方協議の上決定する。継続して契約を更新する場合は、新たに契約を締結する。

本部は、加盟者との契約が存続する間は、店舗において登録商標およびマークを使用することを許可する。また、加盟者に対し店舗のカラー、デザイン、レイアウト、看板並びに商品化方法およびサービス方法など、フランチャイズ・システムのノウハウを提供する。

契約条件は以下の通り。

加盟金:350万円(6店舗以上250万円)
更新料:初回更新料は無料、2回目以降の契約更新は一律50万円、更新事務手数料は一律5万円
開店指導料:一律150万円
預託保証金:一律250万円
ロイヤリティ:1店舗当たり18万円/月
広告宣伝費及び販売促進費:毎月総売上の0.5%
事務管理費:2万1,000円/月

経営方針

吉野家ホールディングスは、国や地域を超えた世界中の人々のために企業活動を行い、「For the People」すべては人々のために、を経営理念としている。そして6つの価値観「うまい、やすい、はやい」「客数増加」「オリジナリティ」「健全性」「人材重視」「挑戦と革新」を共有・実践することで、ステークホルダーの満足度向上と信頼構築に努めている。

経営戦略・経営環境

吉野家ホールディングスは「食」の担い手として、社会が求めるサービスを提供し、感染症対策を支えていきたいと考えている。同時に今後の事業展開においても、感染症をめぐる市場の変化や、回復後に訪れると思われる変化の芽を捉え、スピーディーに対応していく方針である。

基幹の事業セグメントである吉野家においては、新しいサービスモデル、クッキング&コンフォートへの転換をさらに進め、客層を変えながらの成長を目指している。また、はなまる・京樽・海外セグメントにおいても、既存事業の収益性向上と出店による規模拡大を進めていく考えである。

対処すべき課題

吉野家ホールディングスは、当面の対処すべき課題、及び企業価値向上に向けた取り組みとして以下の3つを挙げている。

今までにない「新しいビジネスモデル」創り

既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、既に素材開発や商品の提供方法の改善など、従来と一線を画した踏み込みを開始している。今後はその踏み込みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図っている。

「飲食業の再定義」を実現するための組織づくりと取り組みについて

「飲食業の再定義」を実現していくために、よりすばやい意思決定ができる体制への見直し、本社機能の業務改革、従業員の働き方改革、グループ間の人事交流活発化、グループ商品本部による仕入れの共通化などに取り組んでいる。また海外各地域における現地経営体制の確立、及び現地での意思決定を可能にすることで、グローバル展開を加速しようと図っている。さらにダイバーシティの推進も引き続き行っていく。

「ひと・健康・テクノロジー」の実践

吉野家ホールディングスグループでは、2025年を最終年度とする長期ビジョン「NEWBEGINNINGS2025」の実現に向け「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードとし、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしている。「ひと」に関わる取り組みでは、「ひと」を活かすことで生まれる価値を追求し、その価値を顧客に提供していこうと考えている。「健康」に関しては、従業員の心と体の健康を経営の柱とする「ウェルネス経営」の一環として、最高健康責任者(CWO)の任命制度を導入しており、今後は従業員の健康リテラシーの向上と浸透を目指している。最後に「テクノロジー」に関しては、複雑な店舗オペレーションを簡便化・効率化する設備や機器を導入し、職場環境を改善することで、労働力確保と生産性向上につなげていく。

事業等のリスク・業績変動要因

原材料の調達リスクについて

吉野家ホールディングスグループ各社が使用する食材は多岐にわたるため、新たな原料産地の開拓や分散調達等へのリスクヘッジに継続的に努めているが、疾病の発生や、天候不順、自然災害の発生等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じたり、市場価格や為替相場の変動により仕入価格が高騰し、売上原価が上昇することにより業績に影響をおよぼす可能性がある。

吉野家事業への依存について

吉野家ホールディングスグループの連結売上高に占める吉野家セグメントの売上高の割合は50%を超えている。単一事業に対する依存から脱却すべく中核事業の育成に注力しているが、引き続き依存する割合は高く、吉野家の業績の如何により、グループ全体の業績に大きな影響を与えることがある。

競合リスクについて

外食産業全体のマーケット規模が停滞しているなかで、店舗数は依然増加傾向にある上、コンビニエンスストアによる弁当、惣菜類の販売といった他産業からの参入もあり、顧客ニーズは多様化し、主要顧客層にも変動がみられ、競争は一層熾烈化している。吉野家ホールディングスグループでは、新業態の開発、商品設計の変更により、引き続き連結会社群の成長、海外への積極的な展開等により、売上高を向上させる取組みを推進しているが、今後、更に競合が熾烈化した場合に、業績に影響をおよぼす可能性がある。

自然災害、パンデミックに関するリスク

大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生し、店舗、工場等の施設や情報システムに損害が生じ、営業活動や仕入、物流に支障が生じた場合、あるいはお客様、従業員に人的被害があった場合等、業績に悪影響がおよぶ可能性がある。また感染症の感染拡大等による顧客や従業員の確保不足等の影響で営業活動の継続が困難となった場合、グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。

法的規制について

吉野家ホールディングスグループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法等の一般的な法令に加え、食品衛生、店舗設備、労働、環境等店舗の営業に関わる各種法規制や制度の制限を受けている。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加することになり、業績に影響をおよぼす可能性がある。

短時間労働者(パートタイマー)等の雇用について

吉野家ホールディングスグループでは、多数のパート・アルバイト社員を雇用しており、今後の人口態様の変化により、適正な労働力を確保できない可能性があるほか、各種労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費負担が増加する可能性があるため、業績に影響を与える可能性がある。

食品の安全管理について

吉野家ホールディングスグループでは、安全な食品を顧客に提供するために衛生管理を徹底しているが、万一、食中毒等の衛生問題や表示ミス等による商品事故が発生した場合、企業イメージの失墜や損害賠償金の支払い等によって、業績に大きな影響を与えることがある。

減損リスクについて

吉野家ホールディングスグループは2020年2月期において24億7,900万円の減損損失を計上しているが、将来的にも地価の動向や子会社の収益状況によって、更なる減損損失が生じた場合、グループの業績に影響を与える可能性がある。

店舗賃借物件への依存について

吉野家ホールディングスグループは、事務所や大部分の店舗の土地建物を賃借している。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能だが、賃貸人側の事情により賃借契約を解約される可能性がある。また、賃貸人に対して2020年2月期末時点で総額159億1,600万円の保証金を差し入れているが、このうちの一部が倒産その他の賃貸人に生じた事由により回収できなくなるリスクがある。

情報システムリスク

吉野家ホールディングスグループにおける情報システムは、データの消失に備え、データのバックアップを行い、データの暗号化、アクセス権限の設定、パスワード管理により、機密漏洩の防止に努めているが、万一、システムダウンや不正アクセス等が発生した場合には、事業の効率性の低下、社会的信用の失墜により、業績に影響を与える可能性がある。

個人情報の保護について

吉野家ホールディングスグループ各社において、顧客、従業員ならびに株主に関する個人情報については、適正に管理し、個人情報の漏洩防止に努めているが、万一、個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、損害賠償金の支払い等により、業績に影響を与える可能性がある。

海外展開におけるカントリーリスクについて

海外子会社の進出国における政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクにより、グループの業績に影響をおよぼす可能性がある。また、類似商標による権利侵害をされることにより、グループのブランドイメージを低下させる場合がある。


2020年2月期 有価証券報告書(提出日:2020年5月21日)