事業内容
プレシジョン・システム・サイエンスとそのグループ企業は、バイオ関連業界におけるラボ自動化装置や臨床検査用装置、試薬、消耗品の開発及び製造販売を主軸に事業を展開しています。同社の製品ラインナップには、DNA/RNA自動抽出装置や免疫化学発光測定装置、全自動PCR検査装置などが含まれ、これらは研究室向け及び臨床向けに分類されます。また、試薬や専用プラスチック消耗品も提供しており、主要なOEM先はこれらの製品を同社から購入しています。
同社グループは、装置のメンテナンスやスペアパーツ販売、さらには受託製造や受託検査サービスも手がけており、子会社のエヌピーエス株式会社やPSS新宿ラボラトリーがこれらの業務を担当しています。プレシジョン・システム・サイエンスUSA, Inc.やPrecision System Science Europe GmbHは、それぞれ米国と欧州での販売を強化し、新たな業務提携先の開拓や技術情報交流を行っています。ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社は、グループの知的財産管理や研究開発を、株式会社PF・BioLineは生体物質測定の研究開発及び製品販売をそれぞれ担っています。
これらの事業活動を通じて、プレシジョン・システム・サイエンスグループは、大学、研究機関、臨床検査センター、製薬会社、化学メーカーなど幅広いユーザー層に対して、高度なバイオ関連製品とサービスを提供しています。
経営方針
プレシジョン・システム・サイエンス(以下、同社)は、バイオテクノロジーの進展を背景に、社会貢献を企業理念として掲げています。同社は、遺伝子、タンパク質、免疫などの生体情報の有効活用を推進し、高精度かつユーザーフレンドリーなオープンシステムの提供を通じて、多様なバイオ分野での社会貢献を目指しています。中期事業計画では、2025年6月期から2027年6月期までの数値目標として、連結売上高10,000百万円、連結営業利益1,000百万円の達成を掲げています。
同社は、新たな市場分野への展開や新製品の市場投入、事業運営改革などを短期的課題として取り組んでいます。特に、子宮頸がん検診の重要性に着目し、HPV検査サービス事業への参入を検討しています。また、Magtration®技術やPCR技術を活用した製品群を通じて、臨床検査現場のニーズに応えることで、新市場への参入を果たす計画です。
中長期的な課題としては、同社が保持する約100件の特許技術を活かした要素技術開発に注力しています。免疫細胞群から目的細胞を回収する技術や、タンパク質の表面にある糖鎖を回収する技術の確立を目指し、がんやアルツハイマー病などの早期発見に貢献することを目標としています。
戦略的事業推進テーマとしては、OEM向け新製品上市、全自動PCR診断装置専用PCR試薬の調達契約締結、自社ブランド製品の国内外販売網の拡大、PSS新宿ラボラトリー開設、PSS大館試薬センター第二工場設立などを掲げています。これらの施策を通じて、バイオ検査業界における総合的なインフラ提供企業への発展と、事業成長による社会貢献を目指しています。