日本M&Aセンター 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 1兆58億7200万 円
銘柄コード 2127(市場第一部(内国株))

株式会社日本M&Aセンターは、東京都千代田区に本社をおくM&A仲介を主な事業とする会社。1991年に各地域の有力な公認会計士・税理士が中心となり設立された。2006年東証マザーズ上場、2007年東証一部上場。中堅・中小企業を対象としてM&A仲介・コンサルティングサービスを提供。その他、企業を親会社から買いもどすMBO支援や企業価値評価、企業再生の支援、資本政策・経営計画のコンサルティングなども展開。

沿革・企業概要

1991年4月、全国の公認会計士・税理士が中心となり「日本エム・アンド・エーセンター」を設立。創業者は分林 保弘氏。同年7月に全国の会計事務所を「地域M&Aセンター」としてネットワーク化。

2000年5月、地方銀行を会員とする「全国金融M&A研究会」を立ち上げ。全国の地方銀行とのネットワークが構築される。

2002年12月に商号を「日本M&Aセンター」に変更。その後、2006年10月東証マザーズに上場、2007年12月には東証一部上場。

2008年、市場調査企業の「矢野経済研究所」を持分法適用関連会社化。

2010年以降、札幌営業所、名古屋支社、福岡営業所(現 福岡支店)を順次開設し、拠点を拡大。

海外拠点については、2016年にシンガポール・オフィス、2019年インドネシアに駐在員事務所、2020年ベトナムに現地法人を設立している。

事業内容

M&A仲介業務がメイン事業で、M&Aにおける各プロセスでサービスを提供。主な収益源は、着手金及びM&Aが成立した際の成果報酬。

その他、地域M&Aセンターの会員組織の運営などを実施。また新規事業として、東京証券取引所が運営するTOKYO PRO Market(プロ投資家向けの株式市場)への上場支援も行っている。

M&A仲介業務プロセス

日本M&Aセンターの仲介業務は「1. マーケティング」「2. 譲渡企業受託」「3. 譲渡企業評価」「4. 買い手企業への提案」「5. 各種交渉と契約の調整」の5つのプロセスから構成されている。

「2. 譲渡企業受託」では、受託企業からの個別相談に応じて、受託審査を実施。譲渡の可能性、譲渡理由の確認や概算価格などを検討する。

受託審査を通過した場合、譲渡企業と「提携仲介契約」を締結し、会社規模に応じて「着手金」(通常100万円~300万円程度)を受領する。

次の「3. 譲渡企業評価」は買い手企業への提案目的で資料を作成するプロセスで、「案件化」という。譲渡企業の決算書などの資料や各種インタビューなどを踏まえて実施。

そして、選定された買い手企業に譲渡企業を提案するのが「4. 買い手企業への提案」。機密保持の観点から最初は企業名をふせたA4で1枚程度の「ノンネーム企業情報資料」により行う。

更なる検討を希望したい場合は、「機密保持契約」を締結し、企業名・業績・業界特性などが記載された「企業概要書」を提出。

さらに本格的にM&Aの検討開始を希望する場合は、買い手と「提携仲介契約」を締結し、会社規模に応じて「着手金」(通常100万円〜500万円程度)を受領。

最後の「5. 各種交渉と契約の調整」ではその名の通り、譲渡企業と買い手企業の交渉及び契約内容の調整などを実施。

当事者間で最終契約を締結し、一連の作業が終了した時点で時価総資産に料率を乗じた「成果報酬」を受領する。

経営方針

メインターゲットは、国内M&Aマーケットの中でも、後継者問題解決のための中堅中小企業のM&A。

日本M&Aセンターでは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境などを背景に、今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは考えにくいとしている。

加えて、中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、幅広い企業に対して付加価値の高いサービスを提供し、M&A総合企業への取り組みを段階的に進めている。

その取り組みは国内に限らず、ASEAN諸国を中心に、経営戦略・マーケティング・M&A成立後の統合といったコンサルティング分野、企業価値評価(バリュエーション)・投資先のリスク調査(デューデリジェンス)といったエグゼキューション分野など、幅広い分野で価値が提供できるよう事業を拡大中。

優先的に対処すべき課題

日本M&Aセンターでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下の4つのテーマを自らに課して業務を推進している。

第1に、「コロナ禍の中にある経営者の方々に最適なM&Aソリューションを」である。新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、経済活動の先行きが不透明な現況において日本M&Aセンターグループが果たすべき社会的使命は極めて重要なものとなっている。今後、再編が加速する業界や再生事案が多発する業界も数多く見受けられるものと推察している。日本M&Aセンターグループは、感染拡大が終息するまでは一定の制限のもとでの営業活動にならざるをえない状況である。リーマンショックや東日本大震災等の際と同様、今こそは困難を乗り越えてその社会的使命を完遂すべき時であり、企業の存続と発展のためになお一層尽力していく方針である。

第2に、「営業本部における4事業部体制の完成」である。日本M&Aセンターの営業本部は2020年3月期までは、提携統括事業部、戦略統括事業部、業種特化事業部の3事業部制により運営している。 2021年3月期以降は、これまで提携統括事業部の中で大手証券会社や都市銀行等を担当していた部門を大手金融事業部として独立させ、4事業部体制としていく。

第3に、「コンサルタントの積極的採用と研修制度の更なる充実等による人材の育成」である。今後、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供し、業績拡大を実現するために、引続きコンサルタントの採用を推進し毎年着実な増員を図っていく予定である。併せて、採用した人材の早期戦力化を図るために、社歴3年未満のコンサルタントを部署の垣根を外した競争原理により切磋琢磨させ、社歴の浅いコンサルタントの着実な育成を図っていく方針である。

第4に、「M&A総合企業への取組」である。近年、従前の中堅中小企業以外に、上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、 M&A総合企業への取組を段階的に進めている。今後ともこの取組を加速させ、国内はもとよりアセアン諸国を中心とする海外を含むあらゆる地域の多様な対象企業に対しても取組を更に進めていく方針である。