Zホールディングス 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 5兆6044億2300万 円
銘柄コード 4689(市場第一部(内国株))

1996年に設立され、国内初の商用検索サイトとして「Yahoo! JAPAN」のサービスを開始。
翌年「Yahoo!きっず」を公開するとともに、店頭登録銘柄として株式を公開。
1998年「Yahoo!掲示板」「Yahoo!ページャー」、翌年「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」を開始。
2002年には検索連動型広告「スポンサーサイト」の販売を開始。
2003年東証一部に上場。


事業内容とビジネスモデル

沿革・会社概要

Zホールディングス(ZHD、旧ヤフー)は日本を代表するインターネット企業。1996年に設立され、国内初の商用検索サイトとして『Yahoo! JAPAN』のサービスを開始。翌年『Yahoo!きっず』を公開するとともに、店頭登録銘柄として株式を公開。1998年『Yahoo!掲示板』『Yahoo!ページャー』、翌1999年『Yahoo!ショッピング』『Yahoo!オークション』を開始。2002年には検索連動型広告『スポンサーサイト』の販売を開始。2003年、東証一部へ市場変更。

2019年10月、ヤフーはZホールディングス株式会社を中核とする持株会社体制へ移行した。2019年12月、LINEとの経営統合に係る最終合意を締結。2020年8月4日より本件共同公開買付けを開始し、合併完了(およびLINEの非公開化)は2021年3月頃を予定している。

事業内容

Zホールディングスは、検索ポータル『Yahoo! JAPAN』を軸としたメディア事業、『ヤフオク!』『Yahoo!ショッピング』といったコマース事業を展開している。2018年10月より、『PayPay』ブランドで決済金融関連サービスも提供している。

メディア事業

メディア事業は、子会社であるヤフー株式会社が運営している。主な事業内容として、検索連動型広告やディスプレイ広告など、インターネット上の広告関連サービスを提供している。

メディア事業では「スマートフォンアプリの利用促進」「動画コンテンツおよび広告の拡充による動画メディア化」「オンラインおよびオフラインデータ活用によるマーケティング支援」を成長戦略とする。

メディア事業は、日常に欠かせない多様なメディアサービスを提供することで多くの利用者を集め、広告により収益を上げている。利用者の生活により密 接したサービスを『Yahoo! JAPAN』トップに集約し、メディアサービスでの顧客体験向上を実現している。また、サービスの利用によって蓄積されるデータを活用することにより、より深く利用者のことを理解し、より最適なサービスを提供し、利用頻度の増加を目指している。

ビジネス効果を生み出す新たな広告プロダクトを開発しており、オフラインへの進出を新たなチャンスととらえ、インターネットの技術を使って、オフライン上の利用者の生活も便利にする取り組みを行っている。2018年10月にサービスを開始した『PayPay』によるオフライン決済のデータを活用することにより、実店舗での購入状況(O2Oの効果測定)を加味したマーケティング活動支援が可能となっている。広告主にとって一番重要である「購入」「再購入」に対して効果が最大化するマーケティングソリューションを既存の広告事業から進化させている。

ヤフーは約6兆円と言われている広告市場で基盤を作り収益を増加させてきた。今後は「認知」から「購買」までを一気通貫で可視化することにより、あらたに販促市場も開拓します。インターネットの技術を使って、利用者の生活をオンライン上でもますます便利にし、オフライン上の生活も便利にすることにより、サービスを拡大している。

コマース事業

コマース事業では、Zホールディングスグループの子会社や関連会社が、『ヤフオク!』や『Yahoo!ショッピング』などのコマース関連サービス、『Yahoo!プレミアム』などの会員向けサービス、そしてクレジットカード等の決済金融関連サービスなどを提供している。

またコマース関連サービスについては、アスクル株式会社がオフィス関連商品の販売等を行うほか、株式会社ZOZOによるファッション通販サイト『ZOZOTOWN』や、株式会社一休によるホテルやレストラン等の予約サイト『一休.com』の企画・運営が行われている。

株式会社イーブックイニシアティブジャパンでは、コンテンツの電子化などの電子コンテンツや書籍・雑誌に関わる事業に取り組み、バリューコマース株式会社が、アフィリエイトマーケティングなどの広告事業とCRM事業を展開している。

決済金融の分野では、PayPay株式会社が、モバイルペイメント等電子決済サービスの開発と提供を行っている。加えて、ワイジェイFX株式会社がFX(外国為替証拠金取引)事業を実施し、ワイジェイカード株式会社が、クレジットやカードローン等の信用保証業務を行い、銀行業は株式会社ジャパンネット銀行が運営している。

ビジネスモデル

Zホールディングスグループはあらゆるユーザーアクションに関わる多種多様なサービスを展開し『Yahoo!ニュース』『ヤフオク!』『Yahoo!ショッピング』など、個々の領域でも国内最大級の利用者数を誇るサービスを多数展開している。さらに、多様なサービス、巨大な利用者基盤から得られるデータはグローバルなインターネット市場においてもZホールディングス独自の強みとなっている。Zホールディングスは、グループが培った事業基盤と競争優位性を最大限に活用し、持続的な成長を目指している。

国内最大級の利用者基盤

Zホールディングスの各サービスはPCに加えてスマートフォンにおいても国内最大級の利用者基盤を築いている。また、各事業領域において存在感のあるサービスを多数創り出し、個々のサービスが利用者から高い満足度を得て、さらに利用者を増やしている。その結果、さらなるサービス間連携と相互送客を可能にし、Zホールディングスグループが持続的に成長を続けていくための基盤となっている。

ユーザーアクションを一気通貫で押さえる多様なサービス群

Zホールディングスは、メディアとコマースという異なる事業領域において100を超えるサービスを展開し、インターネット上のあらゆるユーザーアクションに対して、一気通貫でサービスを提供している。一連のサービスから多種多様なデータが得られることで、利用者のニーズに対する深い理解を可能にしている。

質の高いマルチビッグデータ

Zホールディングスは、『Yahoo!ニュース』や『Yahoo!検索』、『Yahoo!ショッピング』など利用頻度の高いサービスから得られる最新のデータを保有している。Zホールディングスグループでは、複数のデバイスやサービスで得られるデータを横断的に取得・管理するため、アプリ上でログインしてサービスを利用するように促す取り組みを進めている。また、データの横断的活用を推進すべく、最新鋭のシステム構築や機械学習の研究に積極的に取り組んでいる。

サービス間連携による利用者体験の向上

「出会う」「調べる」「買う」「支払う」「利用する」というユーザーアクションに対して、一気通貫で多様なサービスを提供することでユーザーのあらゆる生活を便利にするなど、質の高い利用者体験を実現している。多くの利用者が利用する『Yahoo! JAPAN』アプリとスマ ートフォン決済サービス『PayPay』との連携や、ヤフー関連eコマースサービスにおける『PayPay』オンライン決済の導入など、オンラインからオフラインまで一貫した利用者体験を提供している。

相互送客によるサービスの成長

Zホールディングスグループが保有する様々なサービスとの積極的な横断連携により、利用者にとってより便利なサービスを提供している。例えば『Yahoo!ショッピング』の顧客に『ヤフオク!』クーポンを発行することにで、それまで『ヤフオク!』を利用したことがない顧客が利用するきっかけを創出し『ヤフオク!』の利用者が増加した。このようにサービス間での連携を積極的に行うことで、一サービスだけではリーチできない新しい顧客へのサービス提案を行っている。

領域を超えたデータの横断利活用

多種多様なサービスから集まるマルチビッグデータをリアルタイムかつ効率的に蓄積し、ディープラーニング処理に特化したスーパーコンピューター『kukai(クウカイ)』を中心としたデータ利活用を進めている。また、2018年度よりサービスを開始した『PayPay』を介して、利用者のオフライン決済データを捕捉している。オンライン、オフラインのデータを横断利活用することで利用者を圧倒的に深く理解できるZホールディングスグループならではのサービスを創り出している。

スマートフォン決済サービス『PayPay』の展開

経済産業省は日本のキャッシュレス決済比率を、2025年までに40%に引き上げる目標を掲げている。この目標の背景には、現金決済システム維持にかかる製造、流通などの社会的コストが課題となっていることが挙げられる。Zホールディングスは「情報技術で人々や社会の課題を解決する」ことをミッションに掲げていることから、キャッシュレス化社会に向けて貢献し、人々の生活をもっと便利で豊かなものにするためのソリューションとして『PayPay』の提供を開始した。

PayPay(株)は、ヤフー(株)とソフトバンク(株)のジョイントベンチャーにより設立され、2018年10月にサービスをリリースした。2019年5月にはソフトバンクグループ(株)が追加出資したことにより、資本構成はソフトバンクグループ(株)50%、ヤフー(株)とソフトバンク(株)がそれぞれ25%となっている。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するインドのPaytm社からの技術提供も含め、キャッシュレス化に向け、グループ総力を上げての取り組み体制を整えている。

『PayPay』のビジネスモデル

『PayPay』では、モバイル決済プラットフォームを拡張させ、プラットフォーム上で獲得したデータや残高を利活用することで、収益事業を成長させることを目指している。収益事業の具体的なイメージは、オンラインとオフラインが融合した世界における、O2Oサービスや広告事業、FinTechなど金融関連事業を見込ん でいる。モバイル決済による手数料だけではなく、O2O・広告・金融など多様な事業を通じて収益化を実現することを掲げる。O2Oについては店舗数(オンライン連携、オフライン加盟店)、広告は利用者数、金融事業は決済回数の拡大を注力領域とする。

決済回数拡大に向けた「100億円あげちゃうキャンペーン」の実施

2018年12月4日、『PayPay』は「100億円あげちゃうキャンペーン」を開始した。『PayPay』での支払いにより、20%還元、抽選での全額還元を楽しみに、家電量販店等に長蛇の列ができた。その日を迎えるためにPayPay(株)の全国20以上の営業部隊が、当時はまだ認知の低かった『PayPay』の導入を推進した。結果、100億円をわずか10日間で使いキャンペーンは終了。『PayPay』の知名度が上がったほか、キャンペーン後には累計登録者数が400万人を超えた。

2019年2月、さらに日常使いしやすく生活に馴染むように設計した「第2弾100億円キャンペーン」を実施した。コンビニエンスストア、ドラッグストアをはじめ多種多様な店舗で『PayPay』で決済する姿が見られるようになった。本キャンペーンも奏功し、サービス開始から6カ月で累計登録者数700万人、加盟店50万店舗、累計決済回数2,500万回を突破した。

『PayPay』では、多くの利用者に愛されて使われている証しとして決済回数を最重要指標としている。今後も、利用者の日常生活に馴染み、さらに使われやすいモバイル決済サービスを目指している。

経営方針

Zホールディングスグループは、情報技術の力で全ての人に無限の可能性を提供する「UPDATE THE WORLD」をミッションに掲げ、『人類は、「自由自在」になれる』というビジョンの実現を目指している。加えて、「ユーザーファースト」の理念のもと、人々や社会の課題の解決に貢献し、グループの企業価値の向上を目指す。

経営指標

経営指標については、Zホールディングスグループでは、主要財務指標として、全社の売上収益、営業利益、および1株当たりの当期利益を重視している。

また、サービスごとの指標として、コマース事業では、eコマース取扱高、クレジットカード取扱高、および「PayPay」決済回数などを指標として活用している。メディア事業では、広告関連売上収益、月間ログインユーザーID数、およびスマートフォンログインユーザー利用時間などを指標としている。

経営環境

Zホールディングスグループの経営環境においては、近年、情報技術の発達により、社会のあらゆる領域でオンラインとオフラインの境目は急速に失われている。インターネットの可能性が飛躍的に人がった結果、従来では考えつかなかった新しい事業モデルや生活スタイルが生み出されている。

加えて、オンラインとオフラインの融合によって、ビッグデータの価値が加速度的に高まっている。データをモッチて経済発展と社会課題の解決を両立するサービスや事業を作りだす企業が求められている。

Zホールディングスグループのコマース事業では、経済産業省の調査 によると、2018年のBtoC-EC市場規模は18.0兆円、物販系分野におけるEC化率は、6.22%となり、年々右肩上がりに上昇しており、さらなる上昇の余地がある。

また、今後の拡大が期待されるキャッシュレス決済の領域に関しては、経済産業省のキャッシュレス・ビジョン「支払い方改革宣言」において、日本のキャッシュレス決済比率は約2割と海外に比べて低い水準にあることから、2025年にキャッシュレス決済比率を4割にまで引き上げることを目標としている。

このことから、コマース事業の領域は引き続き拡大していくと期待される。それに伴い、ビッグデータやテクノロジーの活用、そしてモバイルペイメントなどの決済手段により、オンラインとオフラインの融合が進むと予想されている。

このようにコマース事業の市場は拡大するとともに、ビッグデータやテクノロジーの活用、モバイルペイメントといった決済手段により、オンラインとオフラインの融合が進むことが予想される。

メディア事業の市場では、(株)電通の発表によると、2019年における 日本の総広告費は通年で6兆9,381億円となった。そのうちインターネット広告費は、テレビメディア広告費を上回 り、初めて2兆円を超える2兆1,048億円となった、日本のインターネット広告費がテレビメディア広告費を超えるなど、インターネット広告の成長が続いている。そこから「インターネット広告制作費」および「物販系ECプ ラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、1兆6,630億円と成長を続けている。

広告種別では、検索連動型広告とディスプレイ広告の2種で全体の約7割を超え、ビデオ(動画)広告は前年から大きく伸長し全体の約2割を占めた。

経営戦略

Zホールディングスグループは、日本に住む人々を最も理解し、最高の体験を提供することで社会課題を解決し、未来を創り出すための中核となるのが「マルチビッグデータの横断利活用」であるとし、「データドリブンカンパニー」への変革を目指して、積極的に成長投資を行っている。

コマースとメディアという異なる事業領域において、eコマース、メディア、決済を中心とした100を超えるサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供している。この多様なサービスから得られる豊富なデータは、Zホールディングスグループが独自性のあるサービスを創り出すための重要な競争優位性となっている。

各サービスから得られるデータを横断的に活用することで、利用者一人ひとりに最適化されたサービスを提供し、さらに質の高い利用者体験の提供を目指すとしている。

その実現に向け、Zホールディングスがソフトバンク(株)の連結子会社になったことによるとの連携強化、LINE(株)と 経営統合によるLINE(株)の月間利用者8,300万人という利用者基盤を活かした、eコマース、メディア、決済の各事業でシナジー創出などに向けて取り組んでいる。

豊富なデータ量と多様性あふれるデータ資産を持ち合わせた国内最大級のデータ所有者として、その能力を最大限に引き出し、日本全体の価値を向上させる企業を目指す方針である。

経営体制

Zホールディングス株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社を親会社とし、「ソフトバンク事業」に属している。その他、ソフトバンクグループジャパン株式会社、ソフトバンク株式会社、および汐留Zホールディングス合同会社を親会社に持つ。

Zホールディングス株式会社と多数の子会社(ヤフー株式会社、Zフィナンシャル株式会社、バリューコマース株式会社、ワイジェイFX株式会社、ワイジェイカード株式会社、アスクル株式会社、株式会社一休、株式会社イーブックイニシアティブジャパン、株式会社ジャパンネット銀行、株式会社ZOZO、その他84社)、そして主な関連会社(PayPay株式会社、その他23社)で構成される。

グループ会社の経営管理等はZフィナンシャル株式会社が担当している。

主要セグメントの基本方針

コマース事業

「コマース事業」では、eコマース関連サービスや会員向けサービス、決済金融関連サービス等を提供している。

ソフトバンク連携のポイント還元が奏功し、2020年3月期時点でショッピング事業取扱高が4年連続で20%以上の高い成長率を維持している。

2019年度には「プレミアムなオンラインショッピングモール」をコンセプトとする『PayPayモール』、およびフリマ領域への進出となる『PayPayフリマ』をリリース。これまで成長をけん引してきたソフトバンク会員に加え、『PayPay』利用者へのプロモーションを実施し、eコマース取扱高の持続的な成長を目指す。

加えて、(株)ZOZOとのシナジー効果を生み出せるよう取り組み、『PayPay』を起点とする決済を中心 としたオフライン上での生活における様々なデータの蓄積と残高拡大により、O2O(Online to Offline / 送客)ビジネ スや金融サービス等、多様な収益事業へと成長させていく方針だ。

メディア事業

「メディア事業」では、日常に欠かせない多様なメディアサービスを提供することで多くの利用者を集め、広告により収益を上げている。今後も創業以来掲げてきた「ユーザーファースト」の理念に基づき、本当に必要とされるサービスを提供することがメディアとしての信頼性を高め、結果として中長期的なユーザー数の拡大、ひいては広告売上収益の拡大につなげていく方針である。

サービス利用に関する重要指標である月間ログインユーザーID数は順調に拡大を続け、2019年度に初めて5,000万IDを超えた。サービス利用の結果蓄積されるデータを活用することで、より深く利用者を理解し、最適なサービスの提供を通じ、利用頻度の増加を目指す。

加えて、オフラインへの進出を新たなチャンスと捉え、オフライン上の利用者の生活も便利にする取り組みを進めていき、『PayPay』によるオフライン決済のデータを活用することで、「認知」から「購買」までを一気通貫で可視化することにより、将来的に販促市場も開拓すべく、取り組んでいる。


2020年3月期 有価証券報告書(提出日:2020年6月22日)
2019年3月期 統合報告書(提出日:2019年8月28日)