野村総合研究所 事業内容・ビジネスモデル

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時価総額 2兆1472億 円
銘柄コード 4307(市場第一部(内国株))

株式会社野村総合研究所は東京丸の内に本社をおく企業。1965年に設立。2001年東証一部に上場。マネジメントコンサルティングやシステムコンサルティングを行うほか、総合証券基幹系業務システム「THE STAR」やリテール証券向け共同利用型サービス「STAR-IV」などの金融ITソリューション、流通、サービス、製造などを対象とした産業ITソリューション、巨大化・複雑化する産業システムに対応するIT基盤サービスなど、様々なソリューションを展開。


事業内容とビジネスモデル

株式会社野村総合研究所は東京丸の内に本社をおく企業。マネジメントコンサルティングやシステムコンサルティングを行うほか、総合証券基幹系業務システム「THE STAR」やリテール証券向け共同利用型サービス「STAR-IV」などの金融ITソリューション、流通、サービス、製造などを対象とした産業ITソリューション、巨大化・複雑化する産業システムに対応するIT基盤サービスなど、様々なソリューションを展開する。

沿革

1965年4月、旧野村総合研究所が東京都に設立。1966年1月には野村コンピュータシステムを設立し、同年6月「証券共同システム」の稼働する。同月、財団法人日本万国博覧会協会より「万国博調査」を受託した。

1967年1月、ニューヨーク事務所(現Nomura Research Institute America, Inc.)を開設し、本格的な海外調査を開始。1968年7月には、野村コンピュータシステムが、野村證券株式会社の「第一次オンラインシステム」を稼働。1992年には「第三次オンラインシステム」を稼働している。

1968年10月には、野村オペレーションサービス株式会社を設立し、1972年11月には、旧野村総合研究所がロンドン事務所(現Nomura Research Institute Europe Limited)を開設。

1974年5月には、野村コンピュータシステムが証券業向け共同利用型システム「STAR」を稼働し、その後も「I-STAR」(ホールセール証券業向け、1987年)、「T-STAR」(投信会社向け、1993年)、「STAR-IV」(証券業向け、2003年)、「e-JIBAI」(自賠責保険、2003年)などをはじめ、様々な共同利用型やその他のシステム、システム開発プラットフォームなどを稼働、提供および販売している。

1976年1月、旧野村総合研究所が香港事務所(現Nomura Research Institute Hong Kong Limited)を開設。その後もシンガポールや中国、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカなど、海外への進出を図っている。1983年1月、野村コンピュータシステムが野村システムサービス株式会社を設立。その後も多数の子会社を設立し、事業の拡大を図っている。

2001年12月、東証一部に上場。

直近では、2014年にNomura Research Institute Holdings America, Inc.およびNomura Research Institute IT Solutions America, Inc.を設立。2016年12月にASG Group Limitedを子会社化、2019年12月には日本証券テクノロジー株式会社を子会社化するなど、事業拡大を図る。

事業内容

株式会社野村総合研究所(以下、野村総合研究所)グループおよび関連会社は、リサーチ、経営コンサルティングおよびシステムコンサルティングを提供する「コンサルティングサービス」、システム開発およびパッケージソフトの製品販売を行う「開発・製品販売」、アウトソーシングサービス、共同利用型サービスおよび情報提供サービスを提供する「運用サービス」ならびに「商品販売」の4つのサービスを展開している。

事業セグメントは、大きく「コンサルティング」、「金融ITソリューション」、「産業ITソリューション」、「IT基盤サービス」に分けられる。

まず、コンサルティングに関しては、経営・事業戦略および組織改革等の立案・実行を支援する経営コンサルティングのほか、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供している。

次に、金融ITソリューションに関しては、主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発および運用サービスの提供、共同利用型システム等のITソリューションの提供を行っている。

そして、産業ITソリューションに関しては、流通業、製造業およびサービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発および運用サービス等のITソリューションを提供している。

最後に、IT基盤サービスに関しては、主に金融ITソリューションセグメントや産業ITソリューションセグメントに対し、データセンターの運営管理やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供している。また、様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスの提供を行うほか、ITソリューション関連の新事業・新商品の開発や先端的な情報技術等の研究なども行っている。

そのほかにも、野村ホールディングス株式会社および野村證券株式会社に対して、システム開発・製品販売および運用サービス等を実施している。

経営方針

野村総合研究所グループは、コーポレート・ステートメント「未来創発─Dream up the future.─」を掲げ、「新しい社会のパラダイムを洞察し、その実現を担う」、「お客様の信頼を得て、お客様とともに栄える」ことを使命と捉えている。そのため、顧客の問題解決までの「ナビゲーション」から、具体的な解決策を実施・運用する「ソリューション」までのトータルソリューションにより、価値の最大化を目指すことを経営目標としている。

また、「新たな価値創造を通じた『活力ある未来社会の共創』」、「社会資源の有効活用を通じた『最適社会の共創』」、そして「社会インフラの高度化を通じた『安全安心社会の共創』」という「NRIらしい3つの社会価値」を作り出すことにより、社会課題の解決と持続可能な未来社会の実現に貢献していくとしている。

経営戦略

現在の企業においては、DX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれるデジタル技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革が、グローバルで進展している。その一方で、既存システムの複雑化やブラックボックス化が、DX実現への阻害要因になっている。また、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など、新しいデジタル技術を活用した新規市場を作り出せるIT人材が不足しているのに加え、グローバル事業の強化やクラウド利用によるITコスト削減なども、野村総合研究所の顧客企業における重要な経営課題となっている。

野村総合研究所は、このような事業環境を踏まえ、長期経営ビジョンの実現に向けて、「DX戦略」「グローバル戦略」そして「人事・リソース戦略」の3つの戦略を軸に、野村総合研究所グループの持続的成長と持続可能な未来社会づくりを目指すとしている。

まず「DX戦略」では、テクノロジーを活用した顧客のビジネスモデル・プロセスの変革と、野村総合研究所グループの強みを活かしたビジネスプラットフォームの進化に尽力し、クラウド活用により多様化するシステム基盤からアプリ開発までを包括的に支援していくとしている。

次に「グローバル戦略」では、豪州・米国での外部成長を軸に事業基盤の拡大を目指す。

そして「人材・リソース戦略」では、野村総合研究所グループの競争力を支える人材の採用・育成とパートナー連携を推進していくとしている。

経営指標

野村総合研究所グループは、事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としている。経営指標としては、事業の収益力を表す営業利益および営業キャッシュ・フローを重視し、これらの拡大を目指す。また、資本効率の観点からROEを重視し、EPSの成長を通じた持続的な株主価値の向上に努めていく方針である。

経営環境と今後の課題

野村総合研究所グループは、これまで、日本国内市場においては金融業や流通業における顧客基盤の構築や金融分野のビジネスプラットフォームの提供などを通して、グローバル市場においては日本企業のグローバル化への対応と、主に豪州でのM&Aなどを通して成長してきた。

一方、顧客企業においてはDX関連のIT投資が増加し、業務プロセスの変革段階から、ビジネスモデルの変革段階へと急速に進展している。

このような環境の中、野村総合研究所グループが今後成長を続けるためには、国内外の既存事業領域における競争優位性をさらに高めつつ、DX領域においてもパートナーとしての信頼を築き、顧客との取引を大型化する必要がある。また、DX事業やグローバル事業を推進する人材の採用や育成も重要である。

まずDX事業について、野村総合研究所グループは、AIやIoTおよびブロックチェーンなどの新しい技術が続々と登場しているDX領域では、顧客のDXパートナーとして継続的に事業拡大に取り組んでいく。また、金融業界では、業態変革や、異業種からの新規参入などの業界構造の変化に対応するため、高品質な共同利用型サービスの提供やビジネスプロセスアウトソーシングなどのサービスラインアップの充実を図る。加えて、API(アプリケーションをつなぐインタフェース)提供など新たな事業創出による新規顧客獲得にも取り組む。

クラウド領域では、企業におけるITシステムのクラウド化に伴い、多様化するシステム基盤の包括的な支援の必要性が高まる中、老朽化したITシステムの刷新対応やクラウド上でのアプリ開発などのニーズを捉え、従来のプライベートクラウドに加えパブリッククラウド活用などを基盤サービスとして拡充することで、迅速な対応とコスト最適化に取り組むとしている。

次に、グローバル事業の推進について、野村総合研究所グループは、従来から現地法人の設立や、豪州・米国におけるM&Aによる事業拡大を進めており、引続きグローバルでの競争力確保に努めるとしている。具体的には、既存事業の拡大のほか、豪州でのさらなる外部成長、そして北米での先進技術・ノウハウを持つ企業の高付加価値な知的財産の獲得を目指す。また、グローバル本社機構を中心として、グローバル戦略の策定や執行の支援と、海外子会社のCEOを支える経営層の強化およびガバナンスの向上に努めるとしている。

最後に、上記の施策の着実な実行には、人材の確保と育成が不可欠であることから、特にDX領域やグローバル事業を推進できる人材の確保、育成を進めていく方針である。