ドイツのバイエル社から買収されるバイオ企業モンサント

モンサント・カンパニー

モンサントは米国のミズーリ州セントルイスに本社を置く農業関連企業であり、バイオテクノロジー企業。

グローバルで現代的な農業企業であり、世界中の農業従事者たちを助ける製品やツールなどを提供。農作物の種苗や農薬はもちろん、農家が自分の畑・農作物のデータを収集し、分析することのできるツールなども提供している。

バイオ化学企業として大きな成長を遂げたモンサントであるが、一般には遺伝子組換え作物のメーカーとしての印象が強い。

創業は1901年と古く、当初はコカ・コーラ社に対して人工甘味料サッカリンを販売していたそうだ。その後カフェインやバニリン(バニラの香りの化合物)など、化合物の販売を進めるも、1970年代にサッカリンの発ガン性を示す研究結果が示されると、一時は使用禁止になった(サッカリンはその後、発ガン性物質リストから削除された)。

その他にも、ベトナム戦争で使われていた枯葉剤の製造メーカーであったなど、色々と闇の多い会社である。

2014年にはモンサントの遺伝子組み換え食材の使用を明記する制度を条例化したバーモント州に対する訴訟でスターバックスが同社を支持していたとして、ミュージシャンのニール・ヤングが不買運動を起こしたことでも話題になった。曲まで作っている。

そんなモンサントであるが、業績推移を見るとかなりの規模と収益性を誇っている。

売上高は1兆円をゆうに超える規模で、営業利益も3000億円前後。

しかしながら、2017年中にドイツの化学企業、バイエル社による買収が完了する見込みとのこと。これは知らなかった。

買収の目的とメリットは次の4点らしい。

・研究開発によるイノベーションを促進

・農業の未来を実現

・社会と農業に利益をもたらす

・農家に利益をもたらす

定性的すぎてよくわからない。「大人の事情」ということだろうか。

思ったのだが、こういうある種の闇を抱えた企業は、大きな利益を稼ぎながらも投資家に対するプレゼンテーション資料では一切それについては触れないし、会社ホームページで自社の沿革について語る際にもそれには一切触れない。なので、情報は一箇所から集めるだけでは不完全だなあと思った。