2018年5月に上場承認された企業はかなり多く、メルカリやMTG(SIXPAD)をはじめ15社にのぼりました。
特に気になった会社は、既にまとめています。
・評価額3316億円!ついに上場するフリマアプリ「メルカリ」創業経緯と独特のキャッシュフローに注目
・ネイティブ広告のためのプラットフォーム?新規上場の「ログリー」の事業内容と決算数値まとめ
・創業から5年で上場!年収700万円以上のアッパーマス層をターゲットに経済メディアを運営する「ZUU」
・半分近くが光通信への売上!多言語コールセンターで訪日旅行客需要の取込みを図る「インバウンドテック」
・1991年創業!通信と人材など多方面でフィリピンと日本の橋渡しを行う「アイ・ピー・エス」が新規上場
・学習塾向けのITシステムまで提供!新潟発の個別指導塾「森塾」を展開する「スプリックス」が新規上場
・マドンナやクリロナを広告塔に起用!腹筋トレーニングギア「SIXPAD」で知られる「MTG」が新規上場
・中小企業向けコンサルなどを提供!サイバーエージェント出身者が立ち上げた「ライトアップ」が新規上場
我ながら結構書きましたね..
今回のエントリでは、まだ扱っていない残り8社について事業と業績の概要をざっくりチェックします。
そこで気になった会社があれば、また次回改めて掘り下げます。
(ホームページ)
1991年、医薬品原薬の輸出入を目的に「コーア商事」として設立。
現在の「コーア商事」は、ジェネリック医薬品原薬の輸入においてトップ商社に。また、子会社で注射剤の製造販売や医薬品包装、OTC(一般用)医薬品の製造販売も展開。
売上高は151億円、経常利益15.6億円ほどという規模。減収減益です。
続いて、「SIG」という会社。独立系のSIerのようです。
(ホームページ)
1991年に「エスアイインフォジェニック(住友金属工業グループ)」として設立。
2000年には住友金属工業グループから独立し、独立系SIベンダーに。
システム開発以外に、「ソリューション販売」としてパッケージソフトウェアの販売も行なっています。
2013/3期の売上高は28億3930万1000円でしたが、2018/3期には38億414万5000円にまで増加。
経常利益率は2013/3期の3.5%から、2018/3期には7.9%にまで上昇しています。
売上の大半はシステム開発で、28.5億円の売上をあげています。また、日立製作所とパナソニック系のベンダーが大きな取引先。
三つ目は、北海道初のIoT企業「エコモット」です。
(ホームページ)
2007年に札幌で設立され、融雪装置遠隔制御代行サービスを開始。2013年にはIoTプラットフォーム「FASTIO」をリリース。
2016年1月にはテラスカイ、4月にはKDDIと提携。
IoT特化型のSIとして受託開発を行うほか、自社ソリューションとして「ゆりもっと」「現場ロイド」などを展開。
2013/3期の売上高は5億1728万6000円でしたが、2018/3期には16億2566万4000円にまで増加。
経常利益率は2013/3期の2.7%から、2018/3期には7.1%にまで上昇しています。
2018年3月期の売上をみると、16億円のうち最も大きいのはGPSソリューション(交通事故削減ソリューション「Pdrive」)で、6.5億円の売上。
また、コンストラクションソリューション(建築情報化施工支援ソリューション「現場ロイド」)は6.2億円の売上をあげています。
自社サービスの比率が大きいというのはすごいですね。
代表の入澤 拓也氏は1980年、札幌生まれ。笑顔がいいですね。
続いて、紙専門の商社「国際紙パルプ商事」。
(ホームページ)
歴史は古く、1924年に「大同洋紙店」として設立。1999年に(株)日亜と合併し、現在の社名に。
国内外にサプライヤーネットワークを有しており、新聞用紙や印刷用紙、包装用紙など幅広い商材を扱っているようです。
売上規模は3200億円から4000億円とかなり大きいですね。
一方、経常利益率は0.8%程度。
(ホームページ)
2000年に清水建設(株)の社内事業家制度により設立。不動産の運用管理に関するASP「@プロパティ」を開始。
清水建設といえばスーパーゼネコンの一角ですが、社内事業家制度とかあるんですね。
「@プロパティ」は企業や官公庁、自治体などが事業用不動産や投資用不動産を管理するために利用されているとのこと。
2013/3期の売上高は10億728万円でしたが、2018/3期には12億3989万円にまで増加。
経常利益率は2013/3期の11.5%から、2018/3期には19.0%にまで上昇しています。
売上11億円弱のうち、8.6億円がクラウドサービス(@プロパティ)による売上。
すでに「@プロパティ」を導入する顧客に対するソリューションサービスは2.2億円ほどの売上。
収益性も高いですし、規模が拡大すれば面白いことになりそう(あまり売上が伸びていないけど)。
続いて、テキストから音声を合成するエンジンを販売する「エーアイ」です。
(ホームページ)
2003年に設立され、2007年4月より自由文音声合成エンジン「AITalk®」の販売を開始。
機械音ではなく、人の声をもとに音声を合成する「コーパスベース音声合成技術」をベースとしているのが特色。
電話の自動応答システムからはじまり、2007年ごろからは防災行政無線における利用が開始。
そのほか、カーナビやPND、道路交通案内、ゲーム機などで利用されています。
2013/3期の売上高は3億6272万円でしたが、2018/3期には5億9105万円にまで増加。
経常利益率は25.0%(2018/3期)と、高収益です。
売上4.5億円のうち、3億円弱が法人向け製品、1億円が法人向けサービス。
また、NTTドコモ向けに8613万円の売上をあげています。
最後に、1983年に設立された国際開発コンサルティング会社「パデコ」です。
(ホームページ)
世界110カ国以上の国々で開発プロジェクトに従事。
運輸交通、高速道路、港湾、鉄道、経済分析、財務・金融、経済開発、気候変動、環境、都市・地域計画、教育、行政、法務分析、システム分析、観光振興、プロジェクトマネジメント等を専門分野としています。幅広い。
主としてODA(政府開発援助)による発展途上国での公共事業にかんするコンサルティングを展開。
日本のODA実施期間である国際協力機構(JICA)などが主なクライアント。
インフラに関わる開発だけでなく、教育・人材育成などのソフト部分の開発も実施しています。
2014/3期の売上高は33億3420万円でしたが、2018/3期には53億3264万円にまで増加。
経常利益率は2014/3期の1.9%から、2018/3期には3.5%にまで上昇しています。
売上49億円のうち、26.7億円がインフラ開発、残り22.6億円は経済社会開発。
売上で大きいのは「南アジア」で、21億円弱を売り上げています。
JICA向けの売上が26億円くらいあり、インド地下鉄(Mumbai Metro Rail社)向けに6.2億円の売上。
なかなかに面白い会社が上場していますね。
今回チェックした中では、IoT分野で自社サービスを展開する「エコモット」と、音声合成技術で高収益を実現している「エーアイ」が気になりました。
後日、また時間をとって調べてみたいと思います。